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岡村隆史「コロナ明けの風俗を楽しみに」貧困でセックスワークに流れる女性の増加を歓迎する悪趣味

 ナインティナイン岡村隆史のラジオ番組での発言が物議を醸している。新型コロナウイルスをこれ以上蔓延させないため、不要不急の外出自粛が続く昨今だが、岡村はリスナーの「風俗に行けない」という悩みを受け、「コロナが落ち着いたら、お金に困った女性の風俗転職が増えるので、それをモチベーションに今は耐えよう」という主旨のコメントをした。

 件のやりとりがあったのは、4月23日(24日未明)放送の『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)。番組後半、リスナーから「コロナの影響でしばらく風俗行けない。思い切ってダッチワイフを買おうか真剣に悩んでいる」との相談が寄せられ、岡村は「いつか雨は上がんねんから、今は辛抱よ」「今面白くなかったとしても、コロナが収束したら絶対面白いことある」と励ました。

<なかなかね、苦しい状態がずっと続きますから、コロナ明けたらなかなかの可愛い人が、短期間ですけれども、美人さんが、お嬢(※風俗嬢)をやります。なんでかって言うたら、短時間でお金を稼がないと苦しいですから>
<3カ月の間、集中的に可愛い子がそういうところでパッと働きます。で、パッとやめます。それなりの生活に戻ったら>
<だからコロナ明けた時のその3カ月は、「え、こんな子入ってた?」っていうような人たちが絶対入ってきますから。だから今は我慢しましょう>
<今我慢して、風俗に行くお金を貯めておき、仕事ない人も切り詰めて切り詰めて、その時のその3カ月のために、頑張って今歯を食いしばって、えー、踏ん張りましょう>
<そうなんじゃないかと僕は信じて今、頑張っています>

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で様々な事業が停滞、雇用の問題を生むことが確実視されているが、経済的に困窮した女性がやむを得ず性風俗で働くことを岡村は「歓迎」しているようだ。 “本当であれば性風俗とは縁遠そうなタイプの素人女性”が一時的にセックスワーカーとして働くことは、風俗ユーザーにとってはご褒美のようなものなのだろう。だがそれは、あくまで「お客」として性風俗の都合の良い側面しか見ていない。

 岡村のラジオでの発言を受け、NPO法人ほっとプラス代表理事で貧困問題に詳しい藤田孝典氏は、Yahoo!ニュース個人に寄稿。その記事は現在、広く拡散中だが、藤田氏の<金がない女性は身体を市場で売れ、という野蛮な社会が至るところにあり、岡村のような思想、価値観が福祉の拡充を阻んでいる>という指摘はまさにもっともだと言える。困窮者はまず福祉へアクセスすべきだが、「女性は仕事に困ったら、まずはセックスワークで努力すればいい」という価値観は福祉へのアクセスを阻む事になる。

 性風俗は確かに貧困女性のセーフティネット機能を担ってきた側面を持つ。「女は困窮しても、体を売って稼ぐことができる」、つまり「体を売れる」こと自体が女性の強みであるような見方をされることもある。しかし、「体を売る」ことは貧困解決の正当な手段だろうか。また、女性が主体的にリスク管理をした上で働くのではなく、他者に主体性を奪われて「体を売らされる」ケースも見過ごしてはいけない。

最終更新:2020/04/28 05:30
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