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もうパクリとは言わせない!

「いきなり!ステーキ」の業績不振を尻目に快進撃……沖縄発「やっぱりステーキ」とは⁉

「やっぱりステーキ」吉祥寺店

 立ち食いステーキという画期的なジャンルで、1号店オープンからちょうど6年目となった2019年12月の時点では全国457店舗を擁していた「いきなり!ステーキ」が苦境に陥っている。運営会社・ペッパーフードサービスの同12月期連結最終損益はマイナス27億円で、2期連続の最終赤字に。さらに、上場以来初となる営業赤字(7,100万円)となっていた。加えて、そこへ来てのコロナショックだ。6月18日には、同社が運営する「ペッパーランチ」を100億円で売却するという報道もあった。

 そうした中、沖縄発の格安ステーキ・チェーンが「ポストいきなり」の座を狙っている。今月17日に、東京・吉祥寺にオープンした「やっぱりステーキ」だ。「いきなり」を多分に意識したそのネーミングは、当初は「パクリ」と揶揄されたが、今では沖縄県内に24店舗を構え、福岡、大阪、愛知など全国でも26店舗を展開し、ついに東京に初進出したのだ。

 コロナ禍で飲食業界に逆風が吹き荒れる中でのオープンだったが、開店早々に行列ができるなど、激戦地の東京で順調なスタートを切っている。

「創業は2015年。最初は那覇市の国際通りなどを中心に4店舗の展開だったのが、わずか5年で規模を急拡大させました。もともと沖縄は、大衆向けのステーキ店がひしめく“ステーキ激戦地”。米国統治時代に創業した『ジャッキー』などの有名店もあるなか、『やっぱり』は『1000円ステーキ』というコスパ重視の方針を打ち出して大ヒットしました」(沖縄の地元紙記者)

 すべてのメニューにスープ、サラダ、ライスが付き、無制限食べ放題コースも人気を集める秘訣のひとつだ。熱々の「溶岩石」で焼き具合を調整できる のも特徴で、卓上には沖縄で一般的な「A1ソース」や「ニンニク醤油」などバリエーション豊かな調味料もそろっている。

 運営元の義元大蔵社長は地元紙のインタビューで「競合はステーキ店ではなくラーメン店や食堂だと思っている」と語っており、ステーキを大衆食として浸透させようとする意気込みが伝わってくる。

 その一方、元祖たる「いきなり!ステーキ」には、本丸に乗り込んできた「パクリ」を返り討ちにする力は残っているのだろうか?

「昨秋からメニュー改定に踏み切るなど、反転攻勢に打って出ようという時にコロナショックがやってきた。社内にはキャッシュがほとんどないため、社長が自身の持ち株も含めた資産を切り売りしようとしている話も漏れ伝わってくる。投資家の間では『9 月までもたないのでは?』という話も出てきているようです」(飲食業界に詳しい証券関係者)

 格安感を前面に出す新興勢力の参入で熱気を帯び始めた、ステーキ・チェーンの覇権争い。勝つのはどっちだ!?

伊芸有象(ルポライター)

1980年生まれ。在京新聞社や週刊誌を十数年渡り歩き、フリーのルポライターとして活動。犯罪や貧困問題などを精力的に取材している。

いげいゆうぞう

最終更新:2020/06/25 15:00
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