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120万円ぼったくり事件の背景にもコロナの影? 歌舞伎町案内人・李小牧氏「このままでは歌舞伎町は再び危険な街に……」

イメージ画像(写真ACより)

 新宿・歌舞伎町のホストクラブで、20代の女性に一晩の飲食代120万円を請求したとして、元ホストで風俗店従業員の男が都ぼったくり防止条例違反の疑いで逮捕された。男はマッチングアプリで知り合った女性に「利用料は1人5,000円」と伝えて当時働いていたホストクラブに入店させ、クレジットカードで100万円を決済させた上、店外のATMで20万円を引き出させて巻き上げたという。女性は泥酔しており、翌朝、領収書を見て被害に気づいたようだ。

 しかし、「こうした例は氷山の一角」と話すのは、歌舞伎町案内人として知られる作家の李小牧氏だ。

「4月に私が警告した事態(参照記事)が現実になってしまいました。6月初旬には、歌舞伎町で暴力団とスカウト業者の間でトラブルが発生し、組員たちが“スカウト狩り”を行うという信じられない事件が発生しました。事件の背景にはスカウト同士の縄張り争いによる衝突があり、さらにこれに暴力団も加わり、流血騒ぎとなったのです。新型コロナの影響で、歌舞伎町を訪れる人は激減しました。その結果、風俗店のスカウトたちの間で、女性の奪い合いが激化し、縄張り争いとして表面化したのです。こうしたニュースが報じられれば、歌舞伎町に恐怖感を持つ人も増え、ますます人の数は減っていきます」

 そうした李氏の懸念をよそに、歌舞伎町ではぼったくり組織の侵食が広がり始めている。

「歌舞伎町では以前からぼったくりキャバクラ店の存在が知られてきましたが、そうした店はごくわずかでした。しかし、新型コロナの影響で、ここ最近はまともに営業ができず、やむを得ず、店を売りに出す飲食店が急増しています。そうした店をぼったくり組織が買い叩き、居抜きで営業を始めるんです。いま、世間では新型コロナ感染の第2波到来が心配されていますが、それはぼったくり組織も同じ。第2波到来前の今のうちに、できるだけ稼ごうと、手荒な手段に打って出る店もあるんです」

 新型コロナは、歌舞伎町を再び危険な街へと変えてしまうのだろうか……?

「今ならまだ間に合う。こうした事態を防ぐためには行政や警察による直接的な取り締まりも必要ですが、それよりもまず必要なのは、既存の優良店を守る政策が不可欠です」

 とはいえ、7月5日に投開票が行われる都知事選でも、歓楽街の再生については争点となる様子もない。親に見放された子が非行に走るように、安心して遊べる歌舞伎町は過去のものとなってしまうのか……。

李小牧(歌舞伎町案内人)

1960年中国湖南省長沙市生まれ。88年に私費留学生として来日し、東京モード学園に通いながら「歌舞伎町案内人」として活動を開始。2002年『歌舞伎町案内人』(角川書店)がベストセラーに。15年に日本国籍を取得し、同年と19年の新宿区議会選に出馬するも落選。政界への挑戦は、ドキュメンタリー映画『選挙に出たい』として公開。

Twitter:@leekomaki

りこまき

最終更新:2020/07/01 15:00
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