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ワイドショーレビュー

『ひるおび!』で恵が20分間放置!おじさんの檻にぶっこまれる三田寛子の絶妙な無意味さ

文=和田靜香

『ひるおび!』で恵が20分間放置!おじさんの檻にぶっこまれる三田寛子の絶妙な無意味さの画像1
梨園の妻。(写真/JIL Studio「Getty Inages」より。)

 月曜日~金曜日、10時25分から3時間半の生放送という長丁場の『ひるおび』(TBS)は、コメンテーターを1部(10:25~)と2部(11:55~)とで分けている。それぞれ2人ずつぐらい。これに司会の恵俊彰や国際弁護士の八代英輝、スタジオゲストが入れ代わり立ち代わりで、なかなか見るのに忙しい番だ。

 24日の放送では2部に三田寛子がリモートで出演した。彼女は金曜日のレギュラー・コメンテーターだ。

 三田寛子といえば、かつて天然キャラでスターに。『笑っていいとも!』(フジテレビ系)でタモリさんに愛でられたりしていたが、現在54歳。立派な中高年となった。番組は1部終了後にニュースをはさんで、第2部がスタートし、本日のコメンテーターとして三田が紹介されたが……。

「昨日の池江選手の言葉に胸打たれましたぁ。スポーツはアスリート一人でできるものではないと学んだって、どの職業にも暮らしにも当てはまるなと思って、一人ひとり心しないといけませんよね」

 そう、あいさつ代わりに、早口ではなした。いいこと言ってるような、よく意味が分からないような、でも、笑顔で、ほんわかしてて、それでオッケーみたいな。彼女への反応を心得た恵が「そして来年がどうなってるかわからないって希望だけは持って生きていきたいですね」と、これまたよく分からない返答で、次へ。

 次へ……行くが、その後はなっかなか三田の出番はない。新型コロナ感染者数急増の深刻な話題をスタジオでスシローこと田崎史郎ら、おじさんゲストで廻していき、恵、もう、ぜんぜんっ三田には振ってくれない。

 振ってもらえたのは20分後。「GoToキャンペーンが開始したものの、人出は少ないと」いう話題だ。心の準備が整ってなかったのか三田は、「うーん、そうですね~、なんだかも~」と答えて、リモート画面の向こうで困り顔を作る。「ええっ? コメンテーターってなんのためにいるの?」とはよく言われことだが、これはなかなか最強かもしれない。画面に目が吸い込まれてしまった。

 もう、他の人がごもっともなことを話しても耳には入らない。「お願い、三田に振ってよ、恵!」と心で懇願だ。すると、心の声が届いたのか、またもや三田に振ってくれた。

恵「三田さん、東京の中でも移動していいのか?ですね」
三田「でも東京の保健所もてんやわんやなので、もう、東京の人間は中でも外でも本当に気を付けなきゃいけないって言葉に尽きますよね」

 そしてまた、口を真一文字に結んで頷きながら困り顔をする。徹底して意味のあることは言わないのか。いや、これはこれで意味があるのか? アイドルから主婦タレントへ。長年テレビに出続けている人である。54歳。テレビで重宝される絶妙な無意味さを心得ているのか。それに飽きることはないのか。それともこれが全力なのか。コメント力を磨くことはないのか。その地位は安定なのか。梨園パワーなのか。

 番組終盤では、統計学の大学教授が弾き出した「このままでは来月末には都内で1日33000人の感染者数に」という恐ろしい数字が示され、三田は「いやもう、ほんとに困っちゃいます。みんなもう、『ひるおび』見てくれてないですかね、政治部の方」と眉を八の字にし、手をわちゃわちゃ振って、感情込めて言うと、恵が「三田さんが慌てだした!」と喜ぶ。

 三田寛子。実は『ひるおび』の影のドンなのかもしれない。そんなことさえ思った。恐れ入る。

和田靜香

和田靜香

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

最終更新:2020/07/25 18:00

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