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『家、ついて行ってイイですか?』結婚相手に25の条件を求める元受付嬢、「夫と2人暮らし」と偽った78歳女性

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

【北千住】夫の死を隠し、2人暮らしだと嘘をついた78歳女性

 北千住の銭湯から出てきたのは78歳の女性。ぶっきらぼうだが、話してみると元気で優しい人だった。
 
女性   「(家には)誰もいないよ。遅くなんないと帰ってこねぇから」
スタッフ 「ご主人と2人暮らしですか?」
女性   「そう。(帰りは)夜7時くらい」
スタッフ 「お仕事ですか?」
女性   「うん、仕事」

 女性の家は、2DKの家賃14,300円、築51年の都営住宅。到着するなり、スタッフは冷蔵庫の中を確認した。女性が自分と夫のために買ったという青汁が大量に冷やしてある。保存中の食材や調味料は数と種類が豊富だ。

スタッフ 「いちごジャム好きなんですか?」
女性   「親父(夫)が買った。日曜日にパン食うから」

 部屋の片隅には、ご主人が買ったという龍角散のど飴が無造作に置いてあった。その直後、彼女の嘘が明らかになる。部屋の奥を指差し、女性は口を開いた。

「夫はいなくなっちゃった。本当はいないのよ。まだ、仏様あるでしょ? 写真、飾ってあんでしょ? 亡くなっちゃったの。だから今、1人になっちゃった」

 彼女が指した方向には、ご主人の遺影が飾ってあった。

スタッフ 「え、ちょっと待ってください。さっき、『仕事で夜7時くらいに帰ってくる』って……」
女性   「それは、歩きながらだから。部屋に入ってくるって言うから、今見せてあげたの。本当はいないのよ。(亡くなって)2ヶ月」

 ご主人は女性より2歳下の76歳で、タクシー運転手だった。コロナで仕事を休んでいるうちにストレスが溜まり、5月のある日、突然肺気腫で他界したという。朝、隣の部屋にいた女性が「何かおかしいな」と思って見たら、ご主人が苦しがっていた。救急車を呼んだが「もうダメ」だったという。

 2人は50代で結ばれた、再婚同士のカップルだった。遠くを見つめながら、女性はご主人との思い出を語り始めた。出会い、結婚の馴れ初め、そして年越しは毎年2人で鬼怒川温泉旅行をしたこと。気丈に話しているが、夫を亡くしたのはたった2ヶ月前の話。心中を察するには余りある。

「部屋の電気は、あらゆるところつけっぱなし。2ヶ月間、お勝手(台所)もトイレも。真っ暗にするの嫌なの。明るいほうがいいんだ。暗くしちゃ嫌。そうじゃないとやってらんねーよ」

「おかずも全然作らない。1人だから無駄だもん。別に1人だからいいやと思って。夫に話しながら食ってたのが、今は1人でテレビ見ながらだ。美味くも何ともないね」

 生前のご主人はお洒落な人だった。服をたくさん残して逝ったが、それも「部屋が片付かない」と全部処分した。しかし、ビールが好きだった夫を思い、生前と同じく今もグラスを冷蔵庫に入れて冷やしてあげている。

「せめてビールグラスぐらいは残しておかないと、影も形もなくなっちゃうじゃん。私は(ビールを)飲まないけども、わざわざ冷やしてあるの。毎晩3杯飲んでたから。その後に青汁ハイ。でも、1人になってからは(青汁ハイは)あんまり飲まない」

 冷蔵庫に残したままのいちごジャムも、夫への思いの表れである。

「よっちゃん(ご主人)はジャムをうんとつけてたけど、あんまり減らなくなったね。だから、最近はたっぷりつけるのよ。早くなくなるように」

「寂しいから龍角散も買ってきちゃう。ついなんとなく、『よっちゃんが買ってたなぁ。私もこれから買おう』って」

 ご主人が亡くなった事実をスタッフに隠し、嘘をついていた彼女。いや。嘘というより、夫の死を受け入れられないだけに見える。事実、今も2人暮らしのような生活なのだから。「家に夫がいる」という彼女の言葉は、正確には嘘とは言えない。

 この女性は、悲しみを抱えつつ今も元気だ。愛用するダイソンの掃除機を手にしながら、部屋が綺麗なことを誇った。

「だって、家の中が綺麗だと気分的に気持ちがいいじゃん。私は綺麗好きだ。ダイソンは迫力が違うんだよね。よそよりウチが1番綺麗」

 これからも前を向いて生きていく、そんな力を感じさせる言葉だった。元気でよく喋り、密かに悲しみを隠し持っていた彼女。1日1日を生きることの大事さを教えてくれた。

 婚活女性にドン引きし、夫に先立たれた女性に涙した1時間。まるで、感情のジェットコースターに乗せられたようだった。

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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サイト:Facebook

最終更新:2020/08/19 16:00
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