『この恋あたためますか』仲野太賀がキーパーソンに？ 第4話で当て馬脱却なるか

　森七菜主演の火曜ドラマ『この恋あたためますか』（TBS系）の第4話が11月10日に放送される。同ドラマは、ひょんなことからコンビニスイーツの開発を手がけることになった井上樹木（森七菜）とコンビニチェーン社長の浅羽拓実（中村倫也）が、スイーツ開発を通じて繰り広げるラブストーリー。

　第3話では、樹木が同僚の新谷誠（仲野太賀）と開発したシュークリームが新商品に採用、発売され初日から好調な売れ行きを見せる。樹木にシュークリームの商品化対決で敗れた、浅羽の元恋人でもある北川里保（石橋静河）は明るく前向きに振舞うが、ラストシーンでは1人暗い社内に残っているところに現れた浅羽から「無理して笑うな」と声をかけられ、浅羽の胸で泣いてしまう。浅羽は里保を優しく抱きしめ、頭をポンポン。そして、そのシーンを樹木が目撃してしまう、という展開だった。

　浅羽の優しすぎるハグにキュン死する視聴者が続出した第3話だったが、第4話はいよいよヒロインの恋心にも火が付いて、4人の恋が交錯し、大渋滞を引き起こすことになりそうだ。

　浅羽と里保が抱き合っているところを目撃してしまった樹木は、浅羽社長から呼び出されても、浅羽を直視することができない。そんななか、社内では新しいプロジェクトが立ち上がる。里保をリーダーに樹木と新谷の3人でリンゴを使った新しいスイーツ開発に取り掛かることに。浅羽と里保の関係が気になりモヤモヤする樹木。一方、以前浅羽にはもう何も感じないと言っていたが、気持ちが揺れ動いていそうな里保。さらに樹木に片思い中で里保と浅羽の過去を知っていた新谷は、里保に浅羽とよりを戻すことを勧める。もどかしい恋心に、樹木は気持ちを切り替えようとする。そして予告では「諦めるんだ、まだ何も始まってないうちから」との声に押されるように、走る樹木の姿に「恋する21歳 本当の想いを伝えたい」との煽りの言葉が……。

　樹木の恋が大きく動き出す予感満載の第4話。四角関係に陥る4人の恋模様が描かれるこのドラマの醍醐味は、それぞれが抱える切ない想い、なのかもしれない。スイーツの甘さを引き立てるほろ苦さがあるほど、深く複雑で忘れられない味わいとなる。今のところ、その切なさを毎話毎話盛大に醸し出しているのは新谷である。樹木に思いを寄せ、優しく思いやるがいつもすれ違い、毎度浅羽に良いところを持って行かれ、後ろから切なく見守っている。第4話でも新谷定番の樹木と浅羽の見守りシーンはあるようだ。だが今回、新谷も見守るだけでは終わらないかもしれない。ちゃっかりと里保によりを戻すように勧めているし、予告では樹木と向き合う意味ありげなシーンも。良い人、切なすぎる当て馬ポジションから脱却することができるのだろうか。

　13歳で俳優デビューして以来、多くの映画やドラマに出演し、シリアスな役やコミカルな役などさまざまな役を演じてきた仲野。着実に積み上げてきた経験と実力から、今や演技派俳優として引っ張りだこ。今まで演じたどの役も、リアリティたっぷりに演じきることでハマり役となり、作品に深みを与えてきた。

　同ドラマでも、切ない片思いをする新谷に共感する視聴者が数多い。今まで想いを押し殺してきた新谷が動き出したら……物語は深まり、視聴者の心も大きく動くのではないだろうか。第4話の展開に期待したい。

■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか』
TBS系／毎週火曜日22時～
出演：森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本：神森万里江、青塚美穂
演出：岡本伸吾、坪井敏雄大内舞子
プロデュース：中井芳彦、黎 景怡
音楽：木村秀彬
主題歌：SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/

早乙女りこ（ライター）

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

さおとめりこ