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『家、ついて行ってイイですか?』日暮里で駄菓子屋を営む独身男性の後悔「いつもここで子どもたちを待ってるんです」

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『家、ついて行ってイイですか?』日暮里で駄菓子屋を営む独身男性の後悔「いつもここで子どもたちを待ってるんです」の画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 前回放送の『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)は、「逆境に負けず! 明るく生きる人たち2時間SP」。特に印象深かったのは、幸せな家庭を築けなかった男性と、人も羨む幸福を手に入れた一家の対比だ。

【日暮里】駄菓子屋営業は“道楽”と言い切る男性の後悔

 日暮里の駄菓子問屋でスタッフが声を掛けたのは、千葉県市川市在住の68歳の独身男性。大量の駄菓子を買い漁る彼に「なんでそんなに買うんですか?」と質問すると「駄菓子屋やってます」とのことだ。子どもたちが学校から帰ってくる午後2時に店を開けるらしい。ちなみに、彼が駄菓子屋を始めたのは5年前からである。

「(店を始めた理由は)色々あって」(男性)

 まずは、男性のお宅にお邪魔することにした。独身と聞いていたが、到着すると彼が住むのは立派な一軒家だと判明する。それだけじゃない。玄関を出てすぐ隣の扉を開けると、そこは別世界! 完全に駄菓子屋になっているのだ。男性がDIYで完成させたこの手作り店舗は、自宅とそのまま繋がっていた。

「いつもここで子どもたちを待ってるんです」(男性)

 さあ、もうすぐ開店時間。しかし、今日び駄菓子屋に子どもがやって来るのだろうか? ……と思っていたら、本当にぞろぞろとやって来た。こういう店が近所にあったら、確かに楽しいと思う。最近はスーパーかコンビニのお菓子コーナーくらいしかないし、貴重な空間だ。

 あと、買い物した後に「ありがとうございました」とひと声かけていく子どもたちがいい。品があるというか、マナーが良いのだ。そして、店主を務める男性の雰囲気も良かった。ほんわかした口調で「ありがとね。車に気をつけてよ」と言葉をかけ、一連のコミュニケーションで礼儀を教えているのだと伝わってくる。

「『親に怒られた。おじさん、2時間くらいここにいていい?』っていう子もいるし。でも、やっぱり5時になったら『帰りなさい』って。翌日また来て『お母さんと仲良しになったよ』っていう子もいるし『またやっちゃったよ』っていう子もいるし。本当に楽しいですよ」(男性)
 
 子どもは大人の人間性を見抜く。この男性は信用に足る人だと子どもたちから認められたのだろう。

 彼の自宅の2階にお邪魔すると、なぜか大量に置いてあるブルーベリーをスタッフは発見する。これらは市場で分けてもらうらしい。でも、なぜそんな頻繁に市場へ行く機会があるのか?

「毎日、(市場で)仕事してる。スーパーへの配達業務、朝7軒配達する」(男性)

 午前3~9時は市場の配達で、午後2~5時は駄菓子屋を開く。そんな目まぐるしい生活サイクルを男性は送っているそうだ。駄菓子屋だけでは決して生活できない。

「(駄菓子屋で利益は)出ない。道楽。(利益は)日暮里に仕入れに行くときの交通費くらいだろ」

 お店は子どもたちと触れ合うための道楽だと、彼は断言した。男性には子どもたちと触れ合いたい理由があるらしい。実は、彼は30年前まで定食屋を営んでいた。そのお店を閉めた原因が全ての始まりである。

男性 「離婚で店を開けたり閉めたりしたんですよ。裁判所行ったり、向こうの親に会いに行ったり。それでお客さんに逃げられちゃったの」

――離婚の理由ってお伺いしてもいいですか?

男性 「……子どもができなかった。店が面白かったから、お客さんに飲まされちゃうじゃん。そうすると夜ダメ。子どもできないのが彼女にしては面白くないわけ。それが不満で、溜まって溜まって向こうの気持ちが冷めちゃってね。実家のほうに帰っちゃった。『もう少し相手にしてほしかったなあ』なんて最後に言われちゃった。もう少し、女の心理がわかってればね。俺がもう少し、嫁さんのほうを見てたら……。悔いはありますね、どうしても残ってますね」

 つまり、奥さんとセックスレスになったということ。妻よりお客さんとの付き合いを男性は優先した。子どもがいなくても仲のいい夫婦は多いが、夫がちゃんと妻を見ているかとは別次元の話だ。

男性 「子どもいないから、こうやって駄菓子屋やりましたね。1人で寂しいからさ。やっぱり今思うと、子どもいたほうが良かったよねえ」

――もしお子さんがいらっしゃったら、この駄菓子屋はやってなかったと思います?

男性 「うん、やってない。1人だから好きなことやってるって感じ」

 男性は駄菓子屋を「道楽」と言い切った。本音なのだろう。

「こうやって子ども来るなら、俺は別にそれでいい。子どもと毎日、元気に会える」(男性)

 貴重な子どもの溜まり場となったこの駄菓子屋は、男性にとって道楽だ。仕事を優先し、子どもを儲けなかった過去への後悔が根源にある。激務に負けず駄菓子屋を続けるモチベーションを紐解くと、そこには孤独に彩られた人生があった。

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