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仲野太賀のキスに「性教育・法的にアウト」の声…『この恋あたためますか』のモラルに波紋

文=早乙女りこ(さおとめ・りこ)

この恋あたためますか』公式サイトより

 せっかくの純愛を台無しにされた気がして、少し引いてしまった視聴者も多いのではないだろうか。そんな「性教育的にアウト」だったのが、先週放送された、森七菜主演の火曜ドラマ『この恋あたためますか』(TBS系)第4話のラストシーンだ。

 出張帰りに、樹木(森七菜)を家までバイクで送ることになった新谷(仲野太賀)。浅羽(中村倫也)への思いに揺れる樹木を見て、密かに抱いていた樹木への思いを抑えられなくなった新谷は、アパートに入ろうとする樹木を呼び止め、突然キスをして「おやすみ」とそのまま帰ってしまうのだった。

 仲野太賀演じる、新谷のこの行動。「なにがダメ?」と思う人もいるかもしれない。実際、SNS上でも「おやすみのキス最高すぎる!」「キュンキュンした」「新谷さん大勝利」という反応も。たしかに、突然のキスは「壁ドン」などと並ぶ少女漫画の王道のようなシチュエーションではある。でも、それはもう昔の話のようだ。

 「いや、おやすみじゃないよ(笑)気持ちはわかるけど、好きでもない相手からいきなりキスされたらキレる(笑)」「太賀派だけど合意もなくキスしたらダメです」「ドラマだからいいのかもだけど、不意打ちのキスはイヤでしかない。そんなことを思い出した」

 現代の性教育では、口にふれたり、キスをすることは、親でも勝手にしてはいけないタブーとされている。もちろん、一方的に好意を抱いて、相手の同意なくキスをすれば、犯罪にあたる可能性すらある。

 制作側としては、王道の胸キュン演出だったのだろう。しかし、ネットで検索してみると「好きだからでは許されない」という意見もあり、筆者自身もどこか引っ掛かるものがあった。ドラマだから、そこまで目くじらを立てる必要はないのかもしれない。さばさばした性格の樹木だから、次の話では気にしていないように振る舞うのかもしれない。SNS上には「イケメンなら許される」「結局、相手による(笑)」という意見もある。でも、多くの視聴者が応援していた新谷だからこそ、越えてはいけない一線は守るべきだったのではないだろうか。

 同じ火曜ドラマ枠なのでつい比較してしまうが、“むずキュン”現象を巻き起こした『逃げるは恥だが役に立つ』でも、平匡(星野源)がみくり(新垣結衣)に突然キスをするシーンがある。違うのは、そこに至るまでのふたりの心情をとても丁寧に描いていることだ。お互いが、一歩進みたいと望んでいることを明らかにした上でのキス。ドラマ全体としても、ジェンダーの問題をとても繊細に扱っていたように思う。

 『恋あた』は、小中学生にも見られているドラマだ。だからこそ、恋愛関係の築き方、守るべき一線をふまえて、もっとデリケートに考える必要がある。既存の恋愛シチュエーションを並べ立てるのではなく、時代に合った作品づくりをしてほしいところ。王道のシチュエーションも、新しい価値観にあわせて少しずつアップデートしていくことができれば、『恋あた』はもっとあざやかに輝いてくるのではないだろうか。

 せめて第5話で、できるだけ早いうちに、新谷が樹木に謝ってくれることを願わずにいられない。

■番組情報
火曜ドラマ『この恋あたためますか』
TBS系/毎週火曜日22時~
出演:森七菜、中村倫也、仲野太賀、石橋静河、佐野ひなこ、利重剛、市川実日子、山本耕史 ほか
脚本:神森万里江、青塚美穂
演出:岡本伸吾、坪井敏雄大内舞子
プロデュース:中井芳彦、黎 景怡
音楽:木村秀彬
主題歌:SEKAI NO OWARI 「silent」
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/koiata_tbs/

早乙女りこ(さおとめ・りこ)

早乙女りこ(さおとめ・りこ)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

最終更新:2020/11/17 11:30

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