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『ガラスの仮面』美内すずえがブサイクとはなにかを描く良作! ルッキズム渦巻く社会をサバイブするマンガ3選

文=トミヤマユキコ(とみやま・ゆきこ)

『ガラスの仮面』美内すずえがブサイクとはなにかを描く良作! ルッキズム渦巻く社会をサバイブするマンガ3選の画像1
トミヤマユキコ著『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)

 現代社会とは、視覚優位の社会であり、そこで暮らすわたしたちが「見た目」や「美醜」の呪縛から自由になるのは、なかなか難しいものです。このところ「ルッキズム」にまつわる議論が盛り上がりを見せているのも、視覚の優位性に振り回され、疲弊する人々の心性を反映してのことでしょう。

 わたしはこの11月に『少女マンガのブサイク女子考』(左右社)という本を出しました。ヒロインが不美人という設定になっている少女マンガを26作品取り上げ、分析した本です。

 リサーチを進めて行く中でわかったのは、ブサイク女子が「ただ笑いの文脈で消費されて終わり」みたいな作品はあまりなくて、自分の見た目とどのように折り合いをつけ、この社会で生きていくかをド正面から描いた大真面目な作品が多かったということ。

 しかも、ヒロインたちの選択は実にさまざまで「多様性とはまさにこのことだ!」と痛感しました。つまり、ルッキズム渦巻くこの社会をサバイブするためのヒントが満載なのです。

 というわけで、ここからは、サイゾー読者にオススメしたいブサイク女子マンガ3選を発表していきます(単なる新刊PRだと思われると悔しいので、拙著に載っていない作品も全力で紹介します!)

『雪の音』白泉社1979/11/20)
『ガラスの仮面』で知られる美内すずえ先生による短篇です。わたしの本にマンガを寄せてくださった笹生那実先生に「ご執筆前に紹介したかったです!」と言わしめた名作。確かにこれは収録したかった!

「小さなときからあたしはみっともなかったっけ…」と語るヒロインのポリーは、かわいい服を着ても似合わず、せっかくボーイフレンドができてもダンスパーティーでは放っておかれ、といった具合で、すっかり人間不信になっています。

 みにくい自分には人を愛する資格がないと考える彼女ですが、ある日、キルメニイという超絶美少女から、替え玉として婚約者「バート」と別荘に行ってほしいと頼まれます。キルメニイ曰く、事故によって失明してしまったバートを騙すには、声さえ似ていれば十分だというのです。

 悩んだ末に、替え玉を引き受けることにしたポリーは、冬の別荘でバートと過ごすうち、気難しい彼の心を解きほぐしていきますが、親しくなればなるほど、替え玉であるという事実が重くのしかかってきます。ここにいるのがキルメニイじゃなくて、ポリーだと言えたらどんなにいいか……。

 ポリーを苦しめる要素は、もうひとつあります。再手術をすればバートの目が良くなる可能性があるというのです。美しくない自分を見られたら一体どうなってしまうのか。さまざまな思いが入り乱れます。

 クライマックスは、ポリーがうまいことやっているか、キルメニイが見にくるシーンです。いまやバートの心をロックオンしつつあるポリーに対し「なんて身のほど知らずな…」と大激怒! さらにバートが最後の最後で「あること」を告白し、現場は騒然! さすが『ガラかめ』の美内先生、見事なストーリー展開で、人間不信だったブサイク女子をエンパワメントし、新たな人生へと導いていきます。

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