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『フリースタイルティーチャー』ブラジルにルーツを持つ紆余曲折のラッパーLety。ディスだけじゃないバトルをさせてあげたい

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『フリースタイルティーチャー』ブラジルにルーツを持つ紆余曲折のラッパーLety。ディスだけじゃないバトルをさせてあげたいの画像1
(左)Lety&(右)恋汐りんご(恋汐公式Twitterより)

 1月20日放送『フリースタイルティーチャー』(テレビ朝日系)で行われたのは、Lety(BananaLemon) & DOTAMA VS risano(lyrical school) & サイプレス上野、yukarin(hy4_4yh) & ID VS 恋汐りんご(バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI) & TKda黒ぶちの2試合だった。

「自分はこんな人間」と主張するラップをさせてあげたい

 第1試合はLety VS risano。とにかく、risanoが完璧なのだ。彼女の最大の武器はフロウだが、決してそれのみに頼っていない。例えば、risanoは率先して日本語ラップの名曲をサンプリングする。

Lety  「lyrical schoolのくせに リリカルな所が
     1つも聞こえてこねぇんだよお前のクルー」
risano 「私はlyrical schoolメンバー 全員 背負ってここ来てんねん
     経てからのここ 私の人生は千%」

「経てからのここ」はkick the can crew「千%」からの引用で、その直後に「私の人生は千%」と曲名でも畳みかけた。また、この日着ていたオレンジ色のパーカーをLetyに指摘されると「オレンジは今のトレンディ 人気なポジティブ芸人ティモンディ」(オレンジ→トレンディ→ティモンディ)と韻を踏みながらアンサー。この小気味良さが何とも気持ちがいい。

 相対するは、戦績が0勝2敗で今まで1ラウンドも奪ったことのないLety。彼女についてもそろそろ触れなければならない。Letyは興味深いバックグラウンドの持ち主だ。ブラジル生まれで日本語、ポルトガル語、韓国語など4カ国語を話せるクァドリンガル。6歳で日本に渡ってからはいじめも経験した。その後、小室哲哉プロデュースのガールズユニット「Def Will」に参加するも、小室が引退を表明した余波でグループは解散。そして、2019年にBananaLemonに加入……という苦労人である。紆余曲折の人生をどんどんラップで表現してほしい。

 なのに、彼女が今までやってきたことは事前リサーチした対戦相手のパーソナリティをひたすらディスるのみ。過去回を振り返ると、Letyはディスすることへの躊躇を明かしていた。不安だから参加メンバーの経歴を徹底的にリサーチし、膨大な情報を用意して総当たり戦に臨んだ。結果、相手のパーソナリティを執拗にディスるスタイルへと到達する。でも、本人が言うように彼女はそもそもディスに向いてない。だから痛々しく映ってしまう。でも、DOTAMAからはディスしか教わっておらず、それ以外の打つ手がない。Letyはティーチャーから教わったことを忠実に実行しているだけなのだ。彼女にはLetyならではのラップ、自分がどういう人間かを伝えるフリースタイルをさせてあげたいと強烈に思う。

 Lety自身、今のスタイルは合っていないと自覚しているのでは? バトル中、彼女は泣き顔になっていた。対峙するrisanoがそれに気付かないわけがなく、その矛先はティーチャーであるDOTAMAへ向けられた。

risano 「てか私はDOTAMAさんに言いたい マジで
     あんな泣かせて Letyちゃん可哀想じゃん
     私は竹刀なんか持ったりしない
     Lety サ上さんとrisanoの方 こっちおいで Come on」

 前番組『フリースタイルダンジョン』モンスター時代は戦略を練るブレーンとして活躍したDOTAMAが、『ティーチャー』ではどうも良い教師になれていない。確かにサ上やTKから教わっていれば、ディスだけでなく「私はこんな人間」と主張するLetyが見られた気がする。さらにrisanoはDOTAMAを非難した。

risano 「だって 何人の心 傷付けてるの?
     そういうのディスリスペクトが全てじゃねぇって
     さっきから言ってんだよね そういうのマジよくない
     アイドルはDISよりPEACEを」

 もしこのメンバーで2巡目があるとしたら、違うティーチャーから指導される新生Letyを見てみたい。ちなみに、「アイドルはDISよりPEACEを」はlyrical schoolの楽曲『GIRLS QUEST』からのサンプリングだ。このバトルはrisanoが勝利した。

 バトル後、マイクを握ったDOTAMAはレッスン時に竹刀を持った理由を語った。

DOTAMA 「竹刀でシバいたのは彼女の未来に期待したからです」
サ上    「そんな芝居には期待しない」

「竹刀」「シバいた」「未来」「期待」で踏んだDOTAMAに「芝居」「期待」で踏み返したサ上。もし2巡目があるとしたら、そのときはティーチャーとスチューデントが組んだ2 on 2形式も見てみたい。

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