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MARUOSAの「かた焼きそばのフィロソフィー」第1回

海老天ベンツも潜む圧倒的な情報量の“揚げ日本そば”スタイル

文=MARUOSA(マルオサ)

壮大な情報量とボリュームは「We Are The World」的!?

 そして早速、お目当ての料理である「宝そば」を注文した。

海老天ベンツも潜む圧倒的な情報量の揚げ日本そばスタイルの画像3
こちらが「宝そば」2050円(税抜)。白菜高騰時、混雑時は提供不可とのこと。

 揚げた日本そばの上に、白菜、人参、タケノコなど数種の野菜を絡めた和風の醤油あんがかけられているかと思えば、最下層には3本の海老天がメルセデス・ベンツのエンブレムのごとく秩序良く並べられている。さらに脇を固める付け合わせが“とろろ”と“いくら”。絶望的ボリュームと情報量である。

 この「We Are The World」的大盤振る舞い、決していたずらに提供しているわけではない。

 そもそも日本そばを揚げたかた焼きそばスタイルは、今はなき「池の端 藪蕎麦」(東京・湯島)の初代店主・堀田鶴雄氏が1970年代に一般的なかた焼きそばから着想を得て「巣ごもりそば」の名で提供したのが始まりとされている。

 しかし、「そば福」は先代の奥様が長崎出身ということもあり、皿うどんからヒントを得て提供したのだという。奇しくも同じ70年代に。瞬間、心、重ねて。

海老天ベンツも潜む圧倒的な情報量の揚げ日本そばスタイルの画像4
このようにヘビーな一品だが、果たしてその味は――。

 さらに「そば福」初代店主は、定跡破りの新手をふんだんに盛り込んだ。店名にちなんで福が来るようにと、子宝食材として知られる“とろろ”と“いくら”を付け合わせに選び、料理名の通り宝探しの意味を込めて、あえて揚げた日本そばの下に3本の海老天を忍ばせた。

 この「宝そば」は、先代店主の、人々の幸せを願う愛と無邪気な遊び心の結晶だったのだ。

 とはいえ、果たしてこの付け合わせで美味しくいただけるのか?

 まず、とろろをそばつゆとよく混ぜ、いくらと共に本体に投入。意を決して頬張るが、これが意外と合う。揚げた中華麺なら決してこうはならないはずだ。日本そばだからこその和装マリアージュ。

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付け合わせの“とろろ”と“いくら”が福を呼ぶ。

 ベースとなるあんかけ自体も、もれなく和風の味付けで、そばや付け合わせと相思相愛。揚げ麺ではあるものの、噛みしめるたびにそばの便りが鼻からほのかに抜けていく。咀嚼のリズムと比例して滋味と恍惚が満たされる。

 オリエンタルな雰囲気を持つ皿うどんに影響を受けたそば職人の、遊び心に満ちた純国産リミックス。同じ70年代に発表されたYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)の根幹となる楽曲「FIRECRACKER」を彷彿とさせる一品だ。

 純粋なもりそばでは味わえない、また違った側面の“日本”を目と舌と鼻で味わうことができる宝そば。一食の価値はある。

 当初はいろんな意味で圧倒されたが、気がつけば完食。女将さんいわく、ペロリと平らげる女性の方もいらっしゃるとのこと。確かに満腹ではあるが、ツラい感じはない。これも、そばの効能なのか?

 今年本厄の私、宝そばで福が来ますように。

〈INFO〉
そば処 そば福
住所:千葉県松戸市栗ケ沢788電話番号:047-387-3280
ホームページ:http://www.sobafuku.jp
営業時間:11時~21時(ラストオーダーは20時50分)
定休日:毎週月曜日、第3火曜日(祝日の場合は営業)

MARUOSA(マルオサ)

MARUOSA(マルオサ)

1980年、大阪生まれ、東京在住。エクストリーム・ミュージシャンとして、これまでに20カ国以上でライブを行い、世界3大メディア・アート・フェスのひとつ「ソナー」(スペイン)、約28万人も訪れる欧州最大級の「ロスキレ・フェススティバル」(デンマーク)、世界最大の音楽見本市「SXSW」(アメリカ)などに出演。かた焼きそば研究家としてテレビ・ラジオ出演やコラム執筆といった活動も行う。

Twitter:@maruosa

【maruosa.com】

最終更新:2021/03/02 19:00
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