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PS5並みにどこに行ってもない! ビットコイン高騰の裏でグラボが市場から消えた!?

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GeForce RTXシリーズ nvidia 公式サイトより

 仮想通貨「ビットコイン」の急騰が話題だ。仮想通貨は文字どおり「仮想」の「通貨」で、硬貨やお札は存在しない。簡単に言ってしまうと、インターネットでやり取りできるデジタル通貨だと思っていい。

 ひと口に仮想通貨と言ってもいろんな種類があるのだが、現状はシェア的にも「仮想通貨=ビットコイン」といっても過言ではない。このビットコインが昨年あたりからじわりと上がり始め、今年に入ってからは急騰しているのだ。

 ビットコインは、「サトシ・ナカモト」という者によって作られ、「ブロックチェーン」と呼ばれるテクノロジーで取引される仕組み。このブロックチェーンが肝で、「いつ誰がどのくらいビットコインを取引したのか」という取引データ(マイニング)は、改ざんできないように暗号化されて書き込みされる。

 記録の改ざんがない上、銀行などの金融機関が不要という画期的なテクノロジーだ。

 と、ほかにもいろいろ特色はあるのだが、あまり小難しい技術の説明はこのへんにしておいて、ゲーマーにとってどんな関係があるか? に移りたい。

 ビットコイン急騰によって、今市場から消えている商品はビデオカードだ。グラフィックカードやグラボともいわれるこの商品はPCには不可欠なアイテムで、グラフィックカードの性能によってPCゲームのパフォーマンスは大きく変わる。

 昨年末あたりからグラフィックカードは品薄になり始めてはいたのだが、それはまだ序の口。2021年に入ってからはさらに品薄が加速している。これは確実にビットコインの影響と言っていい。

 グラフィックカードは安いものだと2万円前後から、高性能なものだと30万円程度のものまで存在する。通常、最新スペックの高額商品、安価なモデルに人気が集まるものなのだが、今回の品薄はかなり深刻でこの常識は通用しない。

 上から下のモデルまですべてが市場から消えている。実際、秋葉原のパーツショップを覗いてみても、全モデル売り切れの状態だ。しかも、入荷の見込みも立っていないという。ショップ側も購入制限や転売対策を行ってはいるものの、なかなかうまくいってない模様。

 特に、PCゲーマーからの支持が高いGeForce RTXシリーズの在庫は壊滅状態といってもよく、どこに行っても売ってないPS5と同じ状況。こういった背景からか、中古パーツ買取店では、人気グラフィックカードの買取価格をアップして在庫確保に望むなどの対応も始まっている。

 また、運良く店頭で在庫に遭遇したとしても、価格は高騰している。モデルによっては4~5万円程度の上乗せ価格になっているものもあるという。

 こういったグラフィックカード争奪戦の裏で、GeForce RTXシリーズのメーカーであるNVIDIAは、仮想通貨のマイニングを検出した場合に効率を約50%に制限する仕組みを新しい同社の製品に導入したことを発表。

 これはPCゲーマー向けの配慮なのか、ゲーム体験を優先したことになる。その一方でマイニング用途向けに別の製品をラインナップしているところは商魂たくましい。

 まだしばらく争奪戦が続きそうなグラフィックカードだが、待てるなら今は買わないほうがいいかもしれない。

辻 英之(編集者)

起きてる間が営業時間のプロ編集者。ゲームメディアの編集長、IT企業での経験を活かし、デジタルエンターテイメント分野記事を中心に寄稿中。ビジネスジャーナルでは『オレの周りはゲームばかり』を連載中。

つじひでゆき

最終更新:2021/03/05 17:00
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