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田中将大復帰の楽天 ヴィッセル神戸と共通する「三木谷流・超高コスト体質」の成否

田中将大復帰の楽天 ヴィッセル神戸と共通する「三木谷流・超高コスト体質」の成否の画像1
田中将大

 プロ野球ファン待望のシーズン開幕がまもなくやって来る。今シーズン最注目チームは、田中将大が8年ぶりに復帰した楽天。2013年にチームを日本一に導いた伝説の英雄の帰還に仙台の街は沸き立っているが、周囲からはこんなやっかみの声も聞こえる。

「チーム誕生時は“おミソ”のような扱いだった楽天でしたが、ここ数年は金に物を言わせて、岸孝之、浅村栄斗、鈴木大地と、ライバル球団の主力選手をFAで次々と獲得。浅村と鈴木は、巨人やソフトバンクとの争奪戦に勝った上での獲得でした。かつてはFA移籍=巨人というイメージでしたが、巨人は年俸が良いぶんプレッシャーがキツく、外様にも冷たいので、移籍は諸刃の剣。その点、楽天はファンが穏やかな上に金払いも良いので、今や選手の間では『FA移籍したいチームNo.1』です」(週刊誌プロ野球担当記者)

 注目度が高いのはプロとして歓迎すべき状況だが、巨人は度が過ぎているということか。その点で楽天は恵まれているようだ。田中は古巣への復帰であり、FAを利用した“強奪”ではないが、楽天の金に糸目をつけない姿勢は群を抜いている。スポーツビジネスに詳しいジャーナリストはいう。

「田中の年俸は推定9億円。いくら田中が別格の選手だとはいえ、ソフトバンク、巨人、楽天を除く9球団の総年俸は20億円台ですから、1人で9億円はあまりに突出しています。楽天のオーナーの三木谷浩史氏は、Jリーグのヴィッセル神戸のオーナーでもありますが、こちらはもっと極端。イニエスタの年俸は30億円以上ですが、これだけで年俸総額2位のチームの2倍以上で、神戸だけ年俸総額が飛び抜けています」(ジャーナリスト)

 全選手の年俸を足しても、相手チームのスター選手ひとりに負けてしまう状況は、プロアスリートにとって屈辱極まりない。ただ、それが結果に結びつかないのが、スポーツの面白いところだ。

「イニエスタ獲得以降の神戸の順位は10位→8位→14位。今季も優勝候補に上げる人はまずおらず、むしろ降格候補として名前が上がる状況です。三木谷オーナーは『金さえ出せば、結果は必ず付いてくるもの』と考えているのか、堪え性がなく、監督がとにかくコロコロ変わることで有名。楽天については今季の田中次第ですが、これで成績が上がらないようだと、士気は一気に下がり、チームはガタガタになります。金で優勝が買えるほどスポーツは甘くないですよ」(同上)

 故・野村克也氏をして“神の子”と言わしめた田中には、外野の声など関係ないのだろうか。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2021/03/21 07:00
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