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TBS「火曜ドラマ」オリジナル脚本路線は早くも終了? 二階堂ふみ主演作でマンガ原作に“回帰”か

二階堂ふみ公式サイトより

 方針転換となるのだろうか。

 『逃げるは恥だが役に立つ』『花のち晴れ~花男 Next Season~』『義母と娘のブルース』『わたし、定時で帰ります。』『恋はつづくよどこまでも』『私の家政夫ナギサさん』など、さまざまな話題作を生んできたTBS系火曜22時放送のテレビドラマ枠。ここ1年ほどはオリジナル脚本の作品が続いていたが、この路線は撤回されるようだ。

 「女性自身」(光文社)デジタル版が14日付で報じたところによると、7月期のTBS火曜ドラマは、小学館が運営するWebコミックサイト「裏サンデー」で連載されている『プロミス・シンデレラ』の実写化作品となり、二階堂ふみが主演を務めるという。二階堂の連続ドラマ単独主演はこれが初となる。

 しかし、気になるのは、ここのところオリジナル脚本にこだわっているように見えたTBSが、ふたたびマンガの実写化に手を着けたことだ。

 TBSの火曜ドラマ枠は、坂元裕二脚本の『カルテット』や、宮藤官九郎脚本の『監獄のお姫さま』といったオリジナル作品も放送されてきたが、2018年からは原作付きのドラマが集中。特に、同名小説の映像化となった『わたし、定時で帰ります。』を除けば、マンガ原作ばかりとなった。

「16年の『ダメ恋』(『ダメな私に恋してください』)や『逃げ恥』のヒットもありましたが、18年に『花男』『ぎぼむす』が立て続けに成功したのが大きいでしょう」(テレビ誌ライター)

 だが、昨年9月期の『おカネの切れ目が恋のはじまり』以降、原作のない、オリジナル脚本が続いている。三浦春馬の急逝により全4話に大きく変更となった『カネ恋』はともかくとして、『この恋あたためますか』『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』はおおむね好調で、「TBS火曜ドラマ」ブランドの強さを発揮していた。今月20日から放送が始まる『着飾る恋には理由があって』もオリジナルだ。なぜ、また原作モノとなるのか。

「昨年1月期の『恋つづ』以降、同枠は若い視聴者層にもアピールできるベタなラブコメ路線を強化してきましたが、『恋あた』『ボス恋』については“どこかで見たような話”という声も多かった。複数人の脚本家でチームを組むことの多い欧米とは違い、日本ではいまだに“メインの脚本家は1人”のパターンが多いため、クオリティの高くないオリジナル脚本となってしまうことも残念ながら珍しくないし、ベタなラブコメというお題が設定されていたとしたら、大なり小なり似通った内容が続くのも仕方ないでしょう。

 さらに問題はそれだけではなく、『恋あた』についてはほぼ同名といえる短編BL漫画『この恋、あたためますか?』(KADOKAWA)と設定が酷似していると一部で騒がれたし、『ボス恋』も、映画『プラダを着た悪魔』や韓国ドラマ『ロマンスは別冊付録』に似ていると指摘された。“パクリ”が疑われるような作品が続いたことは、局内でも問題になったのでは」(同上)

 結果、すでに発表されているマンガや小説から、これまでにないようなラブコメ作品を探したほうが早い、という判断なのかもしれない。

 『プロミス・シンデレラ』は、端的に言えば“年上女性×年下男子モノ”だが、設定は一風変わっている。突然離婚を言い渡され、さらにスリに遭ってしまい、無一文で路上生活を強いられることになった専業主婦の主人公が、性悪な金持ち男子高生の仕掛ける「リアル人生ゲーム」で人生の巻き返しを図る、というもので、これを実写化するとなれば、なかなか見ないようなラブコメドラマが生まれそうだが、はたして……。

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2021/04/16 13:00
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