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金子茂樹脚本『コントが始まる』の伏線回収劇は“狙いすぎ”? 玄人ウオッチャーが楽しめない理由

文=早乙女りこ(さおとめ・りこ)

『コントが始まる』公式サイトより

 いま、若者に絶大なる支持を集めているドラマ『コントが始まる』(日本テレビ系)。キャストには菅田将暉神木隆之介有村架純といった人気若手俳優たちが顔を並べ、20代後半の葛藤を描いた青春群像劇が展開されている。脚本は『俺の話は長い』(日本テレビ系)で知られる金子茂樹氏が手がけ、冒頭のコントが伏線となって物語が展開されるという、新しいスタイルのドラマ作品だ。伏線はコントのみならず劇中の至るところに張られており、後半でそれらを綺麗に回収していく様子が何とも小気味良い。

 しかしこのドラマ、世帯視聴率が振るわない。ターゲットである若年層の個人視聴率は高いため番組的には問題ないのだろうが、なぜこんなにも大人にウケないドラマになったのだろうか。理由を解明すべく口コミサイトを辿っていくと、「狙いすぎ」という意見がちらほらと見られた。

伏線回収劇が狙いすぎていて冷める?

 「狙いすぎ」というのは、どうやら伏線回収劇のことのようだ。伏線回収が大きな特徴となる『コントが始まる』だが、伏線回収に重きを置くあまり、一部の視聴者は“狙いすぎている”と感じてしまっているという。確かに、伏線の醍醐味は回収されて初めて過去のシーンが伏線だったことに気付く瞬間でもある。一見何の意味もないようなごく自然なシーンが、物語の鍵を握っていたことを後から知ると、「まいりました!」と感服してしまう。

 しかし『コントが始まる』では、冒頭のコントが伏線だと明言している上に、劇中でも伏線となるシーンが不自然に長く映ることがあり「きっとここが伏線だろうな」とどことなく感じさせる描写になっている。こういった伏線の形を若者たちは純粋に楽しんでいるが、いままでさまざまな作品に触れて見事な伏線回収劇を目の当たりにしてきた大人たちにとっては、伏線が伏線だと気付いてしまう描写は少し物足りないのかもしれない。

“どう見ても意味ありげ”なワンシーン

 例えば第3話でのワンシーン。たこ焼きパーティーをするために中心人物の5人が里穂子(有村架純)の家に集まった際、ふいに玄関の靴が映され、他の4人の靴はつま先がドアの方向を向いて揃えられているのに、春斗(菅田)の靴だけ逆方向に置かれている様子が数秒間映しだされた。“春斗だけ別の方向”という、どう見ても意味ありげなシーンである。

 そして先週放送された第7話では、春斗以外の4人が就職活動や一人暮らしを始めたり、実家の仕事に本腰を入れ始めたりとそれぞれの未来に向かって歩き出した。一方で春斗は就職先が決まっておらず、かといって就活するわけでもなく二の足を踏んでいる。3話の伏線通り、春斗だけ皆と同じ方向に歩めていないというわけだ。

 分かりやすい伏線は、確かに数多のドラマを観てきた玄人ドラマウオッチャーからすると退屈かもしれない。ただ、『コントが始まる』のメインターゲットは若年層だ。それを考えると、この演出も“狙って”やっているのかもしれない。

■番組情報
土曜ドラマ『コントが始まる』
日本テレビ系毎週土曜22時~
出演:菅田将暉、有村架純、神木隆之介、仲野太賀、古川琴音、鈴木浩介、伊武雅刀、松田ゆう姫、明日海りお、小野莉奈、米倉れいあ(821)ほか
主題歌:あいみょん「愛を知るまでは」(unBORDE / Warner Music Japan)
音楽:松本晃彦
脚本:金子茂樹
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:福井雄太、松山雅則(トータルメディアコミュニケーション)
演出:猪股隆一、金井紘(storyboard)
制作協力:トータルメディアコミュニケーション
製作著作:日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/conpaji/

早乙女りこ(さおとめ・りこ)

早乙女りこ(さおとめ・りこ)

東京生まれ神奈川育ちのフリーライター。映画・ドラマはジャンル問わず幅広く鑑賞しており、物語の展開を予想したり、役者の演技を複数作品で見比べたりすることが趣味。

最終更新:2021/06/05 18:00

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