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毒親? 感動の押し付け? TBSドラマ『着飾る恋』で描かれた母親像に賛否の声

文=東海林かな(しょうじ・かな)

『着飾る恋には理由があって』公式サイトより

 「毒親」とは、子どもの人生に悪影響を与える親のことだ。ここ数年で広く知られてきた言葉だが、語源は意外と古く1989年にイギリスのスーザン・フォワードという人物が著書のなかで使ったのがはじまりとされる。この毒親をめぐりにわかにザワついたのが、6月1日に放送された『着飾る恋には理由があって』(TBS系)の第7話だった。

 事の発端は、主人公の真柴(川口春奈)の母親の登場だ。真柴は故郷である初島に工房をかまえるランプ職人に取引の交渉に行くのだが、すげなく断られてしまう。それを知った真柴の母・すみれ(工藤夕貴)が<お母さんが行って話せばなんとかなると思う>とおせっかいを焼き、親子ゲンカに発展。最終的には、真柴は八つ当たりめいた自分の気持ちに整理をつけ、東京に帰る船上から港で見送る母親に向かって大声で謝罪をするというストーリーだった。

 視聴者からは「最後でちゃんと謝れた真柴えらい! 親は全部分かってくれるんだよなぁ」「母は偉大」「フェリーの見送りシーンは見るたびに号泣」などと称賛の声が上がる一方で、いわゆる母と娘の感動エピソードに違和感を覚えた視聴者もいた。

 「親にここまで仕事のことで首突っ込まれたらイヤだなと思いながら見たけど、グッときてる人が多いみたい」「(真柴)くるみの積み重ねてきたしんどさを軽く扱いすぎな感じがモヤモヤ」「ちょっと毒親っぽい」など、たしかに母親の言い分ばかりが通った結末には、娘の気持ちへの配慮が足りなかった。他にも駿(横浜流星)や葉山(向井理)の前で、<肝心なところでしくじる>と子どものころのエピソードをネタに持ち出したり、<あなたのために><お母さんにとってはいつまでも子ども>という典型的セリフをぶつけたり、特に親の愛の押し付けに苦しんだ経験のある人にはウンザリだっただろう。その挙句、娘であるくるみが「素直になって謝罪する」というベタな感動の演出だ。最後まで、母親からの謝罪がなかったのも気になった。

 とはいえ、ドラマで描かれている二人の親子関係は決して悪くない。お互いに連絡を取り合い、真柴にとっての実家は帰りたいと思える場所であるように見える。母親が真柴への気持ちを吐露する場面では「この母親、自覚があるようでなにより」という感想もある。アリかナシかの判断が難しい真柴の母親は、毒親とまでいかないグレーゾーンの人間なのかもしれない。

 毒親について、ドラマで描かれることが増えたのは2017年ごろだった。例えば『カルテット』(TBS系)では音信不通だった親の死に目に会えと迫られるシーンが描かれ、『過保護のカホコ』(日本テレビ系)は過干渉な親との関係がメインテーマだった。現在放送中の『コントが始まる』(日本テレビ系)でも、瞬太(神木隆之介)と毒親の関係がはっきりと描かれた回があった。それに比べるとお互いに意見をぶつけられる真柴親子はまだマシな気もするが、見る人によってずいぶん反応が分かれる家族像だった。

■番組情報
火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』
TBS系 毎週火曜日22時~
出演:川口春奈、横浜流星、丸山隆平(関ジャニ∞)、中村アン、山下美月(乃木坂46)、高橋文哉、向井理、夏川結衣、飯尾和樹(ずん)、赤ペン瀧川、木本夕貴ほか
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、棚澤孝義、府川亮介
プロデューサー:新井順子
音楽:神山羊、兼松衆、田渕夏海
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/kikazarukoi_tbs/

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2021/06/08 11:30

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