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【短期集中連載】音楽ライターが検証する『大豆田とわ子と三人の元夫』のED評

『大豆田』ED、セカンドヴァースで解き明かされる物語の意味―とわ子はなぜ離婚と結婚を続けるのか

文=斎井直史(さいい・なおふみ)

『大豆田』ED、セカンドヴァースで解き明かされる物語の意味―とわ子はなぜ離婚と結婚を続けるのかの画像1
フジテレビ『大豆田とわ子と三人の元夫』公式サイトより

 笑えないことが毎回起きているにもかかわらず、何気ない日常を映すかのごとく淡々と進むドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)。回を追うごとに予想だにしない方向へと展開し続けてきた。残すところ2話で新たな局面を迎え、最後の盛り上がりを予感させる。

 松たか子が歌うエンディング曲「Presence」のラップパートは、1話から順にKID FRESINO/BIM/NENE/Daichi Yamamoto/T-Pablowといったラッパーが起用され話題となっている。

 また、元夫役の松田龍平/角田晃広/岡田将生らもラップに参加するパートもあり、サプライズに富んだ曲が毎回エンドロールで公開されてきた。放送後にリリースされるそれら楽曲を楽しみにしている視聴者も多いだろう。

※以下、最新話である8話までの内容への言及を含みます

◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇

 前回の7話終盤では、小鳥遊(オダギリジョー)のサイコパスじみた一面が明らかになる衝撃のエンディングだったが、8話では彼の過去が明らかになり、仕事では別人のようになる理由も詳らかとなった。

 元夫たちが話の中心から(文字通り)追い出されてしまった回だからこそ、彼らの視点が読み取れるエンディング曲は、短いスピンオフ作品のように味わえる。とわ子と小鳥遊が急接近した後、エンディングで映る鹿太郎(角田晃広)の背中に哀れみすら感じた人も多いのではないだろうか?

 前回のエンディング曲は、順当にNENEと角田による「Presence III」のセカンドヴァース。ドラマで使用されたバージョンはイントロと差し替えられているのだが、セカンドヴァースに入る部分で「Throw back and think 5 Minutes」とNENEは囁いている。前半は角田のエネルギッシュなラップもあって前向きな印象であったが、後半は立ち止まって自身を振り返るような流れに変わる。特に角田のラップの変化は必聴だ。

 では1つひとつ、楽曲に込められた思いを読み取っていこう。

 ビートが4つ打ちのリズムへと変化する点は、Chemical Brothersとの共演やGOA、JODYなど4つ打ちのトラック上でラップすることが多いNENEにSTUTSが寄せたかのようだ。

 そして「自信を持っていえるBest life/ふざけてるつもりは1ミリもない」というラインは、堂々としていて華もありNENEらしい。とわ子の視点をNENEなりに表現したラインでもあるのだろう。

 とわ子は3度の離婚を経験してはいるが、立派な家に住み、会社の経営を任され、しっかり者の一人娘を育て上げている。まさに「自信を持っていえるBest life」だ。しかし、3度の離婚歴を恥じる意識だけでなく、本人は至って真面目なのだが(ラジオ体操がどうしても合わないなど)。他人から見ればズレてしまう性格も自認している。そんな不器用な一面を、「ふざけてるつもりは1ミリもない」とNENEはシンプルに表現している。

 ちなみに、ここでアドリブにRyugo Ishida(ゆるふわギャング)らしい声が、遠くで聴こえる。

 とわ子は社長に就任したばかりとはいえ、経営者らしからぬ柔らかな性格が災いして社員に翻弄され、詐欺やハラスメント、会社の買収など「修羅場」を経験する。しかし、それらが「いっとき」のように淡々と通り過ぎて次のステップへと向かっていく。その様子が「修羅場はいっときの踊り場で」となるのだろう。加えて角田が演じる鹿太郎が、とわ子と社交ダンス教室で出会った過去への目配せも、「踊り場」という言葉選びから感じ取れる。

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