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北川景子×永山瑛太『リコカツ 』は“良作”止まり? “傑作”にはなれない日本のドラマ事情

文=南沢けい子(みなみさわ・けいこ)

『リコカツ』公式サイトより

 6月11日に最終回前の第9話が放送された『リコカツ 』(TBS系)。 ようやく素直な気持ちを伝えやり直すことになった咲(北川景子) と紘一(永山瑛太) の感動の告白シーンに胸を熱くした人が多かったようだ。 毎回放送後には今期のドラマのなかで1番好き、といった声もSN Sに多く見られ、 最終回を前に早くもロスの声が数多く挙がるほど今期高い人気を誇 る同ドラマ。第9話の世帯平均視聴率は9.0%(関東地区・ ビデオリサーチ調べ)と前話より0.7ポイント下げてはいるが、 6月18日放送の最終回では2桁が期待できそうだ。

 確かに良いドラマだ。魅力的なキャラ設定と、 テンポ良くコミカルに描かれるパートには毎回笑わされ、 気楽に楽しむことができる面白さがある。 それに加えて細かな演出や米津玄師が歌う主題歌「Pale Blue」を印象的に絡めた見せ場での心の掴み方もうまい。 さらに離婚を“特別なこと”や“ネガティブなこと”ではなく、“ ありふれた普通のこと”として描き出したテーマ性も、 現代に生きる幅広い世代から支持を集めているようだ。 北川と永山の熱演ぶりも評価が高く、2人の代表作のひとつとなる ことは間違いないだろう。

 ただひとつだけ残念なことがあるとすれば、 熟年離婚した咲と紘一それぞれの両親たちの物語が、全10話に話 を収めるために駆け足になりすぎてしまったこと、かもしれない。 『リコカツ 』を咲と紘一による純愛ラブストーリーとしてだけ観れば、 恋に落ちて、もめてすれ違って、 最後には結ばれるという物語なので10話で充分だろう。だが、2 人の両親の熟年離婚問題も同時進行してきたために、第9話で急速 に歩み寄る両親たちの展開にはやや違和感が。 長年の想いを抱えて熟年離婚した夫婦がそう簡単に復縁するとは思 えず、話数不足で描き切れていないように感じる。

 もともと季節ごとの4クールに区切られた日本のドラマは、 海外ドラマに比べると話数が圧倒的に少ない。 アメリカでは1シーズン22~24話のドラマが多いし、 韓国ドラマも1話が60分以上と長いうえに16話以上あるのが普 通だ。日本のドラマは短い分見やすいし分かりやすいが、 どうしても壮大さや濃厚さには欠けてしまう。 さらにかつてはそれでも12、13話が多かった国内ドラマだが、 近年では10話前後と減少傾向にある。

 一方で先日一足先に最終回を迎えた『大豆田とわ子と三人の元夫』 (フジテレビ系)は、同じ10話のなかで“離婚”をテーマに丁寧 に独特な世界観の物語を描ききり、視聴率こそは振るわないものの “傑作”と絶賛する声が多く聞こえてくる。当然、 短いから悪い訳ではない。ただ『リコカツ 』に関しては、あとせめて2話あれば“離婚”というテーマをより 深く丁寧に描きだすことができ、“良作”から“傑作”へと昇華す ることができたのではないだろうか。

 しかし、まだ最終回が残っている。 やり直すことになった咲と紘一が令和の新しい結婚のカタチを示し てくれるのか、熟年離婚した親たちがどんな決着を迎えるのか。『 リコカツ 』はおもしろい、もちろんそれだけでも良いのだけれど、 あと一歩、 短い話数のなかにぎゅっと濃縮された奥深い作品へと仕上がったラ ストが見てみたいと欲張ってしまうのだ。

■番組情報
金曜ドラマ『リコカツ』
TBS系・毎週金曜午後10時~
出演:北川景子、永山瑛太、高橋光臣、白洲 迅、宮崎美子、酒向 芳、三石琴乃、平田満 ほか脚本:泉澤陽子
演出:坪井敏雄、鈴木早苗、韓 哲、小牧 桜
プロデューサー:植田博樹、吉藤芽衣
音楽:米津玄師
製作:TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/rikokatsu_tbs/

南沢けい子(みなみさわ・けいこ)

南沢けい子(みなみさわ・けいこ)

愛知県名古屋市生まれの食いしん坊ライター。休日はNetflixやAmazonプライムを駆使して邦画や洋画、海外ドラマを観まくるインドア派だが、Netflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に影響されて20インチのミニベロを購入。主人公の男の子たちになった気分でサイクリングロードを走るのが最近の楽しみ。

最終更新:2021/06/18 19:17

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