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『家、ついて行ってイイですか?』高円寺で成功を渇望するミュージシャンに品川祐が手を差し伸べるシンデレラストーリー

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

両親を笑わせようとグレープカンパニー入りを目指す長男

 埼玉県入間市のスーパー銭湯でスタッフが声を掛けたのは、32歳のママと5歳の男の子の母子だった。この男の子はお笑いが大好きだという。

「(趣味は)芸人とかお笑いとか。僕はレギュラー! あるある探検隊、ちょっと古いけど」

 数多の芸人からレギュラーをお気に入りにするセンス、痺れる審美眼だ。あるある探検隊が流行ったのはこの子が生まれる前のはずだが……。番組スタッフはこの親子が住む飯能市のご自宅(一軒家)にお邪魔した。

 築2年だというこの家が、またお洒落なのだ。木片を集めた合板の壁といい、ステンレスキッチンといい、まるで無印良品のCMのような暮らしである。さらに、2階はもっと凄かった。広くて何もないスペースに大きな鏡を貼った“ダンス部屋”になっているのだ。ママは若い頃にダンスの専門学校に通っており、今はここでダンス教室を開講しているとのこと。

 人生を楽しんでいるようにしか見えないファミリーである。渡辺篤史が訪問しそうな家で生活しているし、どこが逆境なのだろうか?

ママ 「最初、(夫婦)2人が住んでたのは東京の練馬ですね。ここ(飯能)はもう、全く縁もゆかりもない場所なんですけど」
――じゃあ、なんでこの場所でこういう感じのお家を建てたんですか?
ママ 「う~ん……、まあまあ決め手があったんですよ。大きい病院があったから、近くに」
――別に、ここじゃなくても大きい病院って……
ママ 「求めてた科がそんなにないんですよ。小児の心臓血管外科とか循環器外科」

 長男君には闘病の過去があった? 違う。ママが「あれです」と指差した先にあったのは、赤ちゃんの遺影と遺骨。彼の後に生まれた女の子だ。

「この子が生きてた場合、(飯能に)通えた病院があった」

 生涯ICUから出ていない長女は、生後3カ月で亡くなったという。妊娠9カ月の時点で、1万人に1人の病気「内臓錯位症候群」であることがわかった長女。人間は右と左で内臓の作りが異なるのが一般的だが、内臓錯位症候群にかかると内臓が左右対称になる。内臓の数が足りないなど全身に不具合が起きてしまうのだ。

「産まれる前から『本当に重症だから覚悟しといてください』って言われて。(長女の写真をスタッフに見せながら)エクモ(人工肺)と一緒にICUに戻ってきて、そこから目覚めてないですね。『普通っていいな』って思いながら……」

 手術から2週間経っても、娘の心臓は強く動き出さなかった。そして、医師の口から「限界です」と告げられたのは生後2カ月26日目であった。

「最期の瞬間『抱っこしてください』って言われて抱っこしたけど、感覚はもう全然なくて。でも、ただただ足がどんどん冷たくなっていくっていう感覚だけは覚えてますね。そのときが1番泣いた。初めてあんなに泣いた」

 生後3カ月足らずなのに、自分の手の中で冷たくなっていく我が子。とても耐えられることじゃない。

「(病気と)闘っている最中に『一軒家買おう!』ってなって。一緒に生活できたら楽しい家にできたらなあっていうのがあって、そういうことを考えて作った家です」

 実は、長男君には目指している夢があるという。

――将来の夢は何ですか?
長男 「グレープカンパニー(サンドウィッチマンの事務所)」
ママ 「誰を笑わせたいの?」
長男 「パパとママ。どっちも笑わせたい」

 ちょっと生意気で多弁な変わった子だと思っていたが、気丈な親思いの男の子だったのだ。

 音楽で売れるのは大変だし、映画がヒットするのは大変。そして、病気との闘いは想像を絶するほど大変である。頑張っている人たちの“人間らしさ”が赤裸々に見える回だった。

 

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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サイト:Facebook

最終更新:2021/07/28 20:00
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