
優勝を誓った『M-1』ラストイヤーを終えて1年──ランジャタイ、その夢のあとさき
――とはいえ、SDGsのフレームワークはそれなりにいいことも言っていて、全否定は難しいのではないでしょうか。
そりゃそうですよ。実際、ウイグル問題などは、SDGs的な盾がないことには、中国を厳しく牽制することはできないのですから。
その一方で、地球全体のことより、まずはやはり自国の国益ベースでものを考えることを忘れてはいけないと思いますね。
脱炭素なんかもそうですが、アメリカも中国もヨーロッパも、自国に都合のよいロジックでせめぎ合っているのに、日本だけ理想論できれいごとのSDGsを真に受けていると国益を損ねます。
でも、そういう「欧米では」みたいなことを言う、軽薄な企業経営者や政治家が人気を集めるんですよねえ、悲しいことに。ですから私たち市民も企業も、流されることなく「シラケつつノリ、ノリつつシラケる」のスタンスを堅持し…。
――浅田彰の「構造と力」の一節ですか。
世代がバレますね(笑)。まあそういう感じで、SDGsを人気取りのために利用してもいいけど、基本的に冷静というか冷ややかに見ておくくらいでよくて、国益に資する部分はうまく取り込んで利用していく、というアプローチを、新しく総理大臣になる方にも堅持して欲しいよな、と願っています。