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氷川きよしかそれともソニー勢の連覇かー『レコ大』の水面下で芸能界重鎮たちの攻防

文=黒崎さとし(くろさき・さとし)

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氷川きよし 日本コロムビア 公式サイトより

 2020年に続き、音楽業界は今年も新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けてコンサートの中止や観客動員数の制限などにより大きなダメージを受けた。

 こうした影響もあってか、2021年は例年にも増してヒット曲と言われてもピンとこない年になったといっても過言ではないだろう。

 そうした中、業界内では『NHK紅白歌合戦』とともに暮れの音楽の祭典として知られる音楽業界最大の賞レース『日本レコード大賞』の大賞の動向にも注目が集まっているという。

『レコ大』といえば、昨年はLiSAが歌う人気アニメ映画『劇場版『鬼滅の刃』無限列車編』の主題歌「炎」が大賞に輝いた。

 音楽業界最大の賞レースらしく(?)過去には買収疑惑が一部で報じられるなど、大賞や最優秀新人賞といった各賞の選考を巡り何かと物議を醸すことの多い『レコ大』。

 だが、昨年の「炎」の大賞獲得に対してはインターネット上でも「今年は珍しくまともな選考だった」「レコ大も少しは変わってきたのかなぁ」などといった好意的な意見が多かった。もっとも、「炎」の大賞受賞に関しても人気やセールスがすんなりと評価されたわけではないようだ。

 レコード会社のスタッフは明かす。

「確かにLiSAさんの『炎』はアニメや映画のメガヒットもあって多くの人たちに愛されましたし、ヒットソングといって間違いなかったのですが、『レコ大』を主催する日本作曲家協会の先生方からの中には、やはりかつては演歌やポップスよりも下に見られていたアニソンを『大賞』に選ぶことに抵抗を持つ人も少なくなかったようです。加えて、『レコ大』に大きな影響力を持つ“芸能界のドン”による水面下での独自の動きもありましたしね」

 昨年の『レコ大』では年内で活動休止を発表していたジャニーズ事務所所属の嵐が初出演して大きな話題となった。

『レコ大』とジャニーズ事務所といえば、90年の忍者の「演歌部門」「歌謡曲部門」の受賞を巡るトラブル以来、長い間隙間風が吹いており、10年に近藤真彦が最優秀歌唱賞を獲得した以外にはジャニーズタレントの出演はなかった。

 しかし、19年に同年7月に亡くなったジャニー喜多川氏が「特別音楽文化賞」を贈られた際、同事務所を代表して近藤が記念盾を受け取ったあたりから、雪解けムードも噂されていたわけだが…。

「新設された『特別栄誉賞』を受賞した嵐のサプライズ出演は雪解けムードの流れをくんでのものですが、それを推し進めていたのが芸能界のドンことバーニングプロダクションの周防郁雄社長と言われています。嵐の出演についても周防社長が当時御存命だったメリー喜多川氏に直接連絡して交渉したともっぱらでしたからね。ただ、当初は嵐に対して特別栄誉賞ではなく、大賞を用意するという話もあり、ギリギリまで交渉が行われたなんて噂もあります。実際、大賞の候補となる優秀作品賞にその楽曲が選出されていないことが判明するまでは、嵐の大賞も十分あり得ると見られていましたからね。まあフタを開けてみれば、周防さんと近いソニーミュージックのレーベルの楽曲が5年連続で『大賞』に選ばれることになったわけですけど」(前出のレコード会社スタッフ)

 となると、あまりヒット曲に恵まれている観のない今年も“ソニー系”のアーティストの楽曲の大賞受賞が有望なのだろうか。

「さすがに6年連続はあからさま過ぎるし、そこは避けるのではないでしょうか。今年は、近年のイメージチェンジが世間から好評を集めている氷川きよしさんが有力視されているそうです。演歌はもちろん、最近ではアニソンも見事に歌い上げて、老若男女幅広い世代から支持を集めていますからね」(同レコード会社スタッフ)

 今年も年末に向けて『レコ大』の動向に注目が集まりそうである。

黒崎さとし(くろさき・さとし)

黒崎さとし(くろさき・さとし)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2021/10/04 17:00

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