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『チコちゃんに叱られる!』まるで『カネオくん』再放送のような内容に……自局の成果に全力で乗っかるスタイルが定着!?

別所哲也は、お湯を入れてすぐカップ麺を食べ始めるらしい

「なんでカップ麺の待ち時間は3分なの?」というテーマだけで、語る余地は山ほどある。実のところ、決して3分に限らないのが現状だ。だって、ホームラン軒は4分待つし、ノンフライ麺は5分の場合が多い。2分で硬麺を食べたいときだってあるし、10分置いてふやけた麺を食べたいときもある。俳優の別所哲也はお湯を入れたと同時に食べ始めるのが常だと聞いた。ともかく、チコちゃんが発表した正解は「焦らすため」であった。そういえば、レトルトカレーも3分待つもんな。

 詳しく教えてくれるのはカップ麺の開発者・安藤百福の秘書を務めた、「安藤百福発明記念館 横浜(愛称:カップヌードル記念館)」の館長・清藤勝彦さんである。曰く、カップ麺の待ち時間3分は安藤百福が決めたらしい。百福と言えば、インスタントラーメン開発までの夫婦の奮闘を描いたNHK連続テレビ小説『まんぷく』のモデルにもなった人物。百福は1958年に袋麺を発売して一大ブームを起こすと13年後の1971年にカップ麺を世に送り出し、これまた世界的大ヒットに。百福は“インスタントラーメン”の父と呼ばれている。

 実は、3分という時間は心理的に一番おいしく食べられる時間だそう。禁止されたものほど誘惑されやすい「カリギュラ効果」という心理的現象がある。例えば、『鶴の恩返し』で「覗かないでね」と見ることを禁止されたら、むしろ見たくなってしまうアレだ。カップ麺にお湯を入れて3分待つという行為は「3分は食べちゃダメ」と言われているようなもので、ダメと言われると食べたくなるカリギュラ効果が発揮されているという考え方である。でも、焦らすほどおいしいのであればなぜ待ち時間を3分以上にしなかったのか? 百福曰く、「空腹のときはどうしたって3分以上は待てない」という思いがあり、長すぎず短かすぎず、満足度が一番高まる魔法の時間が3分だったようだ。

 そういえば、明星が1分で食べられる「Quick1」というカップ麺を発売したものの多くの人が癖で3分間待ち、のびた状態で食べる人が続出したためすぐに廃れたという話を聞いたことがある。今年2月20日放送『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK)で紹介していたエピソードだ。この後、番組はカップ麺の製造工程を紹介したが、前述の『カネオくん』でほぼ同じVTRを見たばかりである。再放送じゃないんだから……。「妻の仁子さんが夕食に天ぷらを揚げている姿を見て、フライ麺の製造方法を百福は考案した」というエピソードも、すでに『カネオくん』でインプット済みだ。

 自局の他番組の成果に全力で乗っかっていくスタイルが、最近の『チコちゃん』からは妙に目につく。あと、「空腹時は3分以上待てない」の説に乗っかるとすると、お湯を沸かす時間を勘定に入れていないのは説得力不足である。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/10/29 20:00
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