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クロ現「コロナ禍の路地裏に立つ女性たち」生活保護を拒む女性、路地裏を“居場所”とする女性

街娼の生活に引き返してしまう女性

 路地裏に立つ女性たちの支援に取り組むのは、女性の就労支援や生活保護の申請を手助けするNPO法人「レスキュー・ハブ」代表の坂本新さん。彼は日々、夜の見回りをしながら積極的に女性たちに声をかけている。こうした作業を積み重ね、信頼関係を築くのがねらいだ。逆境にいる人ほど、誰を信用していいかわからない。心を開かないと人は相談しない。事実、まゆさんは「相談所は話し損でしかない」と口にしていた。

 成果はある。10年以上路上に立ち続けた40代の女性・幸恵さん(仮名)は30代まで正社員として働いていたが、人間関係でうつ病を発症して退職。その後、就職活動をしても面接で不採用が続き、歌舞伎町へたどり着いたという。

「生活保護は受けてなかったですね。受けたくなかったんですよ。(正社員として働いていた)10年間という実績があったので」(幸恵さん)

 彼女にとっては、生活保護を受けるより体を売ってでも自力で生活するほうがプライドが満たされた。「ナマポ」と呼び、生活保護のイメージを悪くした結果がこれだ。自己責任を唱え、行き着いた先である。しかし、今の境遇から抜け出すため、坂本さんの助言で幸恵さんは生活保護を申請した。現在、彼女は新しい仕事を探しているという。

「坂本さんと知り合ってなかったら、下手したら新宿で野垂れ死んでいたかもしれない」(幸恵さん)

 しかし2日後、歌舞伎町の路地裏には幸恵さんの姿があった。そう簡単に長い習慣からは抜け出せない。1回の行為で1日分を稼ぐ仕事を知ってしまった感覚の麻痺もあるかもしれない。出所したのに衣食住が揃う刑務所へまた戻りたくなる心境と似ているだろうか。

「体を売らなくていい仕事で生活を立て直したいという気持ちは、間違いなく持っていると思うんですね。ただ、長く街娼として生きてきた人が気持ち一つで新しい仕事を見つけられるかというと、それはすごく難しいと思います。やっぱり探しに行って声をかけ、信頼関係を作った上でできることをしていく」(坂本さん)

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