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清野菜名は“アクション女優”から脱却できた? 『ハンオシ』での演技は…

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ドラマ公式サイトより

 清野菜名が主演を務めるTBS系火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』、通称『ハンオシ』。放送が開始された直後は「『逃げ恥』の劣化版」「歴代火曜ドラマのごった煮」と散々な言われようだった『ハンオシ』だが、次第に物語のオリジナリティが見えるようになり、文句を言う視聴者はほとんどいなくなったようだ。

 主演の清野も、ホッと胸を撫で下ろしたことだろう。清野にとって『ハンオシ』は、民放での単独主演作品は今回が初だ。第一子の妊娠を公表している清野は、産休に入ってメディアへの露出が減る前に、どうにか結果を残して復帰後の仕事につなげたいのではないだろうか。

 園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』(2014年)にヒロイン役で出演し、弱冠19歳ながら華麗なアクションシーンを披露して一躍注目を浴びた清野。“アクション女優”としての地位を築いていくなかで、女優としてのキャリアに不安を抱いていたこともあったようだ。

 過去に「ORICON NEWS」のインタビューで、アクション女優として認知されていることをコンプレックスに感じている時期もあったと語っている。「アクションシーンがないと自分は呼ばれないのかな」と落ち込んだり、逆にアクションシーンがないと不安になったりしていたという清野。そんな苦悩の時期を乗り越え、晴れて恋愛ドラマのヒロインに抜擢されたのだ。

 はたして清野は、アクション女優から“アクションもできる女優”になれたのだろうか。

 『ハンオシ』での清野は、少しオーバーで、いかにもラブコメらしい演技が印象的だ。良く言えば明るく元気、裏を返せばあたふたと落ち着きがない……どこか石原さとみを思わせるものがある。繊細な感情の揺れを細やかに表現するというよりは、ポップで喜怒哀楽がわかりやすい演技。魅せる演技とは言い難いが、火曜ドラマのテンションにはぴったりとハマっている。

 清野が目指す女優像は定かではないが、『ハンオシ』での活躍を見る限り、アクション女優のイメージから脱することはできたのではないだろうか。今回のような、笑って泣けるドラマ路線であれば、産休復帰後も大いに活躍できる可能性は高い。『ハンオシ』も残すところあと3話、しばらく見納めとなる清野の演技を見守っていきたい。

■番組情報
火曜ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』
TBS系毎週火曜22時00分~
出演:清野菜名、坂口健太郎、倉科カナ、高杉真宙、前野朋哉、中川翔子、笠原秀幸、小林涼子、森永悠希、長見玲亜、深川麻衣、岡田圭右、木野花、田辺誠一 ほか
原作:有⽣⻘春「婚姻届に判を捺しただけですが」(祥伝社「フィール・ヤング」連載中)
脚本:田辺茂範、おかざきさとこ
音楽:末廣健一郎、MAYUKO
プロデューサー:松本明子、那須田淳
主題歌:あいみょん「ハート」(unBORDE/Warner Music Japan)
演出:金子文紀、竹村謙太郎 ほか
編成:宮﨑真佐子
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/hannoshi_tbs/

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2021/11/30 12:00
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