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松井秀喜が後押しの「アフリカ甲子園」プロジェクト、注目するのは野球関係者のみならず

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松井秀喜(Getty Images)

 日本シリーズが終わり、プロ野球の話題も一段落したところで、野球ファンには魅力的なニュースが飛び込んできた。

 アフリカの55カ国に甲子園のような大会を作り、高校野球と同じスタイルで青少年を育成する「アフリカ55甲子園プロジェクト」が始動。元大リーガーの松井秀喜が趣旨に賛同し、「エグゼクティブ・ドリームパートナー」に就任した。

「日本では野球はメジャースポーツですが、世界に目を向ければマイナーで、盛んなのは日本、アメリカ、メキシコ、中南米諸国、オーストラリア、韓国、台湾ぐらい。五輪競技から外されたのがマイナー競技の確たる証拠でしょう。野球のグローバル展開は関係者の悲願で、元阪神監督の吉田義男は長らくフランスで普及に努めましたが、実を結んだとは言いがたい。メジャーリーグも近年、新たな野球市場の開拓に多額の投資を行っています。日米を股にかけて大活躍した松井秀喜なら、プロジェクトの旗振り役として適任でしょう」(フリーの野球ライター)

 プロジェクトは、アフリカにおいて野球ができる環境の整備や、スポーツマンシップを含む指導法の普及を行い、甲子園のような大会を開催するのが目標。松井はアフリカに足を運ぶ意思があることを表明したが、普及への道は険しい。

「日本では大多数の人が、なんとなく野球の最低限のルールを理解していますよね。でも本来、野球のルールは複雑なもので、ボールを投げるという行為もこれまた難しく、始めるハードルが高いスポーツです。用具も一つひとつが高価ですし、場所もそれなりに広くて整地された環境が必要。1チームで9人、試合をするなら18人揃わないといけないのもつらいところ。ボールひとつあれば何とかなるサッカーに勝てる要素はなかなか見当たりません」(スポーツジャーナリスト)

 野球に比べればサッカーはルールがシンプルだし、ボールがひとつあれば成立するという点ではバスケットボールの方が普及に有利だろう。ただ、日本がアフリカで野球の普及に努める意義は大きい。

「純粋に野球の普及が第一の目標なら、日本と関係が深く、距離も近いアジア諸国の方がまだ開拓の余地があるように思われます。ただ、野球を通じてアフリカと日本で人材が交流するようになれば、ビジネスチャンスも生まれるでしょうし、親日の機運が高まれば、そのメリットは計り知れません。すでに中国はアフリカ諸国に積極的に経済支援を行い、戦略的に影響力を強める政策を着々と進めている。野球というツールは日本にとって大きな財産だけに、プロジェクトに注目しているのは野球関係者だけではないはずです」(経済誌記者)

 アフリカ勢の身体能力の高さは他の競技で証明済み。日本式の野球がアフリカで受け入れられれば、よい化学反応が起こるかも知れない。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2021/12/03 07:00
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