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2021のお笑い王はドキュメンタリが似合う?『家つい』に錦鯉渡辺と鈴木もぐら再登場

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錦鯉

 僕には毎週欠かさず観ているテレビ番組がいくつかある。

 以前にコラムでも紹介させていただいた『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(日本テレビ系)や『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS)のジャッジ企画など。

 今回はそんな番組のひとつである、テレビ東京で放送されている『家、ついて行ってイイですか?』を元芸人目線で分析してみたい。

 2014年1月に第一期の放送が始まり、今年で9年目を迎える長寿番組。知らない人はいないと思うほどの人気だが、一応番組の内容をおさらいしておこう。

 街頭や店頭で「家、ついて行ってイイですか?」と番組ディレクターが声を掛け、同意を得られた人へタクシー代や商品代を支払い帰宅路に同行し、住居を訪問してインタビューするといったもの。

 人の数だけドラマがあり、笑えるものから泣けるものまで、まさに千差万別の人生が見えるという事でファンも多い。2020年にはドラマ化もされている。

 一応バラエティ番組というカテゴリーだが、ドキュメンタリーの要素が強い。先日1月5日に放送された「家、ついて行ってイイですか?【M-1&コント王者の家…冬の3時間半SP】」では、M-1グランプリで優勝した錦鯉と、キングオブコントで優勝した空気階段、両者がまだチャンピオンとなる前に、スタジオに呼ばれるゲストではなく、家についてこられる側の人間として出演していた。

 まずは錦鯉。たまたまとある銭湯で声を掛けたのがツッコミの渡辺隆さんのお父さん。スタッフのお願いに承諾していざお家へ。

 道中のインタビューで息子さんと二人暮らしだと判明。家を撮影しているとカレンダーに「M-1決勝」の文字。話しを聞くと息子は錦鯉の渡辺さんだと。VTRの中に隆さん自身は出て来なかったが、過去の写真と共に渡辺さんの話もチラホラ出てくる。

 だがあくまでも主役はお父さん。その人生を振り返り、職業遍歴などを聞いていく中、衝撃的なエピソードが。奥さんを亡くしているのだが、その理由は交通事故。しかもどうやら即死だったらしい。その辺りのエピソードを冗談を交えながら笑顔で話すお父さん。その笑顔を見ると、笑い飛ばさないとやってられないという気持ちが伝わり、いまだに辛く悲しい事なのだろうと察する。

 ではその時期、息子の隆さんは何をしていたかというと、お笑いを初めて2年目くらいだったという。お母さんは隆さんがお笑いをやることを反対していた。結局、息子の晴れ姿を見る事もなくこの世を去ってしまった。

 このインタビュー時点で渡辺さんは芸歴22年目。お笑い芸人を諦めて辞めるタイミングなどいくらでもあったと思うが、僕が思うに天国にいるお母さんに自分の晴れ姿を見せるまでは辞められなかったのかもしれない。お母さんの反対を押し切ってまで進んだ芸人への道。何も見せられないままお母さんが亡くなったのだ。悲しかっただろうし、悔しかったであろう、そんな隆さんの人生に思いを馳せた。

 M-1グランプリ2021のチャンピオンになった今、ようやく天国のお母さんへ胸を張って報告しているはずだ。今回のM-1チャンピオンは決勝戦、アナザーストーリー、そしてこの番組と、泣き所が多い。

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