日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > パンドラ映画館  > 有村架純と森田剛が共演『前科者』レビュー
深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.671

有村架純&森田剛『前科者』 寄り添うことで、罪を背負う者は更生できるか?

文=長野辰次(ながの・たつじ)

有村架純&森田剛『前科者』 寄り添うことで、罪を背負う者は更生できるか?の画像1
『映画 太陽の子』(20)の有村架純が『ヒメアノ~ル』(16)の森田剛と初共演

 寄り添うという言葉は、柔らかいイメージがあり、とても便利で使いやすい。ドキュメンタリー作品のカメラは、社会的弱者に寄り添うことで、彼らの目線に映るものを捉えていく。また、傷ついた主人公に優しく寄り添う人物が現れることで、多くの劇映画はエンディングを迎えることができる。孤独な現代人が今いちばん求めているのは、同じ目線に立って寄り添ってくれる理解者なのかもしれない。

 だが、社会の闇に一度堕ちた経験を持つ元受刑者に対し、優しく寄り添うだけで更生させることは可能なのだろうか。有村架純と森田剛が初共演した映画『前科者』は、寄り添うことの大切さだけでなく、寄り添うことの難しさも描いた硬派な社会派ドラマとなっている。

 香川まさひと原作・月島冬二作画の人気コミック『前科者』(小学館)を原作にした、有村架純主演ドラマ『前科者 -新米保護司・阿川佳代-』全6話が2020年にWOWOWで放映された。映画はその続編となる。ドキュメンタリー畑出身、『二重生活』(16)や『あゝ、荒野』(17)で知られる岸善幸監督が、原作にはないオリジナルエピソードで、有村演じる保護司・阿川佳代のTVドラマ版のその後の姿を描く。TVドラマ版から少しだけ成長した佳代は、殺人罪で服役していた工藤誠(森田剛)の社会復帰に尽力することになる。

 保護司というと、安定した職業に就き、地域社会から信頼されている人生経験豊富な人格者のイメージがあるが、阿川佳代はそんな従来の保護司像から大きく外れている。若い女性が保護司を務めること自体が非常に珍しいが、佳代はコンビニでアルバイトしながらシフトの合間を縫って、保護対象者との面談を行なうことになる。

 保護司は非常勤の国家公務員だが、報酬はいっさいなし。ひとり暮らしの佳代の生活は楽ではない。コンビニの店長・松山(宇野祥平)は、佳代がバイト時間を削ってまで保護司の仕事に情熱を注ぐのが理解できない。だが、挫折した経験を持つ対象者の更生に協力できることが、佳代の生きがいだった。

 コンビニの早番のシフトを終えた佳代は、自宅で手作り牛丼を用意し、刑務所から仮釈放されてきた対象者を「おかえりなさい」と笑顔で迎え入れる。バイト生活だけでは満たされないものを、佳代は保護司の仕事から感じていた。

123

有村架純&森田剛『前科者』 寄り添うことで、罪を背負う者は更生できるか?のページです。日刊サイゾー芸能最新情報のほか、ジャニーズ/AKB48/アイドル/タレント/お笑い芸人のゴシップや芸能界の裏話・噂をお届けします。その他スポーツニュース、サブカルチャーネタ、連載コラムドラマレビューインタビュー中韓など社会系の話題も充実。芸能人のニュースまとめなら日刊サイゾーへ!

ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ

アイドル・お笑い・ドラマ…ディープなエンタメニュースなら日刊サイゾー

  • facebook
  • twitter
  • feed
イチオシ企画

庄村聡泰(ex-[Alexandros])が乃木坂46から迷作映画まで斬る!

庄村聡泰(ex-[Alexandros])が、乃木坂46から迷作映画までさまざまなカルチャーを語る不定期連載
写真
特集

『旅サラダ』KAT-TUN・中丸を見守りたい

『朝だ!生です旅サラダ』の「発掘!ニッポン なかまる印」リポーター・中丸雄一の奮闘記
写真
人気連載

大混乱のアメリカが「進むべきとき」

 アメリカの連邦最高裁判所が24日、女性の人...…
写真
インタビュー

香取慎吾とのコラボ秘話

 今年1月9日放送の『関ジャム 完全燃SH...…
写真