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「きさらぎ駅」の海外版? YouTube動画『The Backrooms』と“架空のどこか”への恐怖

「きさらぎ駅」の海外版? YouTube動画『The Backrooms』と架空のどこかへの恐怖の画像1
YouTube動画『The Backrooms (Found Footage)』

 今年1月、YouTube上にアップロードされたとある短編ホラーが「YouTube史上最も気味の悪い動画」と話題を呼んだ。

 その作品、『The Backrooms(Found Footage)』は、タイトル通り“ファウンド・フッテージ”(撮影者が行方不明などになったため未発見だった映像が何者かの手によって公開されたという設定のフィクション作品。1999年『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のヒットがこの名を広めた)の様式をとるもので、現在までに1760万回を超える再生回数(2月26日時点)を記録している。

約9分間のホラー動画と「この部屋を夢で見たことがある」

 1991年、アメリカのティーンエイジャーによって撮影されたという設定の『The Backrooms(Found Footage)』は、不気味な部屋が限りなく拡がる異空間を撮影者がさまよい歩き、やがて正体不明のクリーチャーと遭遇し逃げ惑う内容の映像が約9分間にわたって続く。

 不自然な部屋の構造や壁に空いた謎の穴など、なんの目的で作られたかまるでわからない建物内の様子がなんとも言えない恐怖を見事に煽る本作だが、なんと若干16歳の映像クリエイターKane Pixelsが実写とCGIで作られた映像を組み合わせて製作したものだというから驚きである。

 この短編ホラーが製作される発端となったのは、ネット上で拡散されていたある一枚の画像だ。2019年5月12日、4chan(主に英語圏を対象とする匿名掲示板サイト)の「見ると不安になる画像」スレッドに以下の画像が投稿された。

『The Backrooms(Found Footage)』の映像内でみられる光景と同様、黄色味がかった謎の部屋が映し出されたこの一枚は、公開されるやいなや大きな反響が寄せられ瞬く間に拡散されていった。

 特筆すべきは、多くのユーザーから「この部屋を夢で見たことがある」というコメントが殺到したこと。ある人は建設現場の中で、病院内で、そしてエレベーターで目的と違うフロアに降りてしまった先などそこへ至る経緯はまちまちなのだそうだが、不特定多数の人々が夢の中でこの部屋に足を踏み入れたことがある、と認識したというのだ。

 人々に不思議な既視感をもたらすこの黄色い部屋は、やがて様々なサイドストーリーがユーザーによって作り上げられていき、4chanのみならずTikTok上でも様々な創作が生まれた。

 

@lights.are.off The backrooms #backrooms #thebackrooms #horrortok #vhs ♬ original sound – LIGHTS ARE OFF

 
 また、なかには「この部屋は複数ある次元のうちのひとつである」といったビデオゲームにおける“ステージ”の概念を用いた設定を作り上げる説も起こったことで、実際にインディゲームまで作られている。

 つまり、最初に取り上げた短編ホラー『The Backrooms(Found Footage)』も、この1枚の画像から発展していったさまざまなアイデアのうちのひとつなのだ。

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