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神尾楓珠の目力にビョルン・アンドレセンを見た! “母と息子”の奇妙な疑似家族スリラー『親密な他人』

文=バフィー吉川(ばふぃー・よしかわ)

神尾楓珠の目力にビョルン・アンドレセンを見た! 母と息子の奇妙な疑似家族スリラー『親密な他人』の画像1
映画『親密な他人』© 2021 シグロ/Omphalos Pictures

 映画『親密な他人』が、2022年3月5日から公開される。一般公開に先駆けて第34回東京国際映画祭でも上映されており、日本のみならず海外からも注目を集めた作品である。

 今作は、『ハリヨの夏』(2006)以来となる中村真夕監督の長編劇映画。16歳で単身ロンドンに渡り、ロンドン大学を卒業後、次はニューヨークに渡り、ニューヨーク大学院で映画を学んだ、特殊な経歴と人生経験からくるものなのか、中村監督の作るドキュメンタリーは、『孤独なツバメたち デカセギの子どもに生まれて』(2012)、『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』(2020)など、日本を描いていながらも、少し引いた目線から日本の不安定さを浮き彫りにしたものが多い。グローバルな視点が活きた作品ばかりだ。

神尾楓珠の目力にビョルン・アンドレセンを見た! 母と息子の奇妙な疑似家族スリラー『親密な他人』の画像2
© 2021 シグロ/Omphalos Pictures

 今作を作ろうと思ったきっかけも、中村監督が日本に帰国した際に、日本の母親が息子に対して抱く独特の愛情と執着を感じたからだったという。それは、子どもが娘の場合に抱く感情とは違っている。

 中村監督は、「オレオレ詐欺」というものも、そんな日本や一部のアジア圏特有の母親の息子や孫に対する執着心を利用した構造になっていることにも気づいた。確かに、よくよく考えてみると、「オレオレ詐欺」という名前の通り、騙そうとする側は男を装っていることが多いようにも感じられる。

 そういった日本における特殊性を見つけ出す感覚、着眼点は、国内だけに留まっていては、気づけないものだ。

 今作は、「オレオレ詐欺撲滅PR映画」としても機能しそうな作品ではあるが、それがなぜなのかは、劇場で観てもらえば納得できるだろう……。

神尾楓珠の目力にビョルン・アンドレセンを見た! 母と息子の奇妙な疑似家族スリラー『親密な他人』の画像3
© 2021 シグロ/Omphalos Pictures

【ストーリー】
行方不明になった最愛の息子・心平の帰りを待つシングルマザーの恵。ある日、彼女の前に息子の消息を知っていると言う20歳の謎の青年・雄二から電話が入る。呼び出された恵は、雄二から心平の持ち物を渡される。怪訝に思いながらも、マンガ喫茶に寝泊まりしているという雄二を、恵は自宅に招き入れる。やがて二人は親子のような、恋人のような不思議な関係になっていく。しかし雄二には隠された目的が、また恵には誰にも言えない秘密があった。だまし、だまされた果てに見えてくる驚愕の真実とは……。

※次のページからネタバレを含みます!

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