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胃がんステージ4のバレー藤井直伸選手、5000万募金“中止”の顛末とモヤモヤの正体

“モヤモヤ”ポイントはどこだったのか?

 大多数の人が、藤井選手に闘病を乗り越えてほしいと思っていることには間違いない。一方で、募金方法にモヤッとしたものが拭いきれなかった人たちのネットの意見をまとめると、大きく3つのポイントが浮かび上がる。

(1)何にいくらかかるのか、余ったらどうするのか説明してほしいという“透明性”

<費用が必要なのは分かる。寄付の額も大きいだけに、募るなら病状を明かすだけでなく、どんな治療法を試したいのか、それにはいくらかかるのかという費用も説明して、透明性を確保しておくべき>
<何もしないで待つより行動することを選んだ、それだけなんだと思います。ただ、お金を集める限りは、せめて同じ病気で頑張っておられる方のためにも、どんな治療でいくらかかったのか、効果はいかほどか発信はして欲しいと思います。頑張って乗り越えてほしいと思います>
<寄付を募るのはいいと思うが、余ったらどうするの?>

(2)騙されてない?という“心配”

<治療に5000万かかると言われたのならそれは騙されてる。有名人は怪しい民間療法があちこちから擦り寄ってきますよ>
<5000万円という金額がどこから出てきたものか、疑問です。不安な気持ちに乗じた、怪しい治療をすすめる方々の意見に惑わされていないか心配になりました>

(3)「治る」ためにはそんなにお金がかかるの?という“混乱”

<お金を出せばいい治療があって治るというような情報になる気がします>
<ガン治療ってお金がかかるんだと思わされ、金銭面でも怖くなりました>

(2)の“心配”も(3)の“混乱”も、(1)で触れた「説明」がないために引き起こされたモヤりだろう。そこがクリアになっていれば、募金の呼びかけもよりポジティブに、広く受け止められていた可能性は大きい。

 今回の募金は中止になってしまったが、今後もなんらかの形で支援したいと思っている人もいるはずだ。藤井が今後、どんな治療法を選択し、どう乗り越えていくのか、見守っている人は多い。

藤井利男(ライター)

1973年生まれ、東京都出身。大学卒業後に週刊誌編集、ネットニュース編集に携わった後、独立。フリーランスのジャーナリストとして、殺人、未解決事件、死刑囚、刑務所、少年院、自殺、貧困、差別、依存症といったテーマに取り組み続けてきた。趣味はダークツーリズム。

ふじいとしお

最終更新:2022/03/04 21:00
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