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バカリズム「僕じゃなくてもいい」フリップ芸の大いなる“矛盾” とR-1での“一貫性”

文=飲用てれび(いんよう・てれび)

バカリズム「僕じゃなくてもいい」フリップ芸の大いなる矛盾 とR-1での一貫性の画像1
『R-1グランプリ2022』(フジテレビ系)Twitter(@R1GRANDPRIX)より

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(3月6~12日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

R-1西村知美「カッパはいます。なぜかというと…」

 “天然”と呼ばれる芸能人がいる。周囲が予想もしない言動で周囲を笑わせる人たちだ。ジミー大西やみやぞんといった芸人だけでなく、具志堅用高や丸山桂里奈といったスポーツ系、王林や平野紫耀といったアイドル系など、天然のラベルが貼られる芸能人の幅は広い。

 バラエティに出た俳優や歌手が、その天然エピソードを語ることも少なくない。時に“天然”は、お手軽な符号になっている面もあるのかもしれない。『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演した俳優は、おおかた「天然でいらっしゃったんですね」で処理されているような印象もある。

 で、この“天然”は“天然ボケ”とも呼ばれるように、ボケの一種と捉えられている。しかし、ボケが意図的なものであるのに対し、天然は非意図的なものという意味では、両者は相反するものかもしれない。言動がどれだけボケとしてぶっ飛んでいるかより、言動の後ろに作為をどれだけ感じさせないか。それが天然キャラの肝なのだろう。

 そのため、天然キャラはしばしば、キャラ暴きにあう。本当は意図的なボケなのではないか、ビジネス天然なのではないか。そんな邪推にもとづくキャラ暴きで、しばしば天然はニセモノと判定される。そして、それはそれで笑いになったりもする。ホンモノかニセモノか。芸能界の天然たちはそんなまなざしに晒され続け、場合によっては脱落していく。

 その意味で、彼女はやはりレジェンドのひとりだろう。7日の『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日系)のゲストとして登場した西村知美のことだ。

 この日、「今もなお嘘みたいな天然エピソードを更新し続けている人」として番組に出演した彼女は、たとえばこんなエピソードを披露した。娘が1歳ぐらいのとき、子ども服を探していたという西村。いい服を見つけたので買って帰って娘に着せたら、なぜか胴回りが狭い。そこで彼女は気づいたという。

「どうしたんだろうと思って、よくタグを見たら、あの、小型犬の服だったんですよね」

 また、和食屋のエピソード。この話は導入からオチまでコンパクトにまとまっているので、彼女が語った内容をそのまま引用しよう。

「結婚当初、ですね。主人と街を歩いていて、お腹すいたねっていって探してたら、和食屋さんを見つけて。提灯があって、なかでお寿司を食べてらしたから、行こうと思って。すごい混んでる店だったんですよね。よくファミレスとかで、予約するときの記入のあるじゃないですか。そこがあったので、そこで名前を書こうとしたときに気がついたんですよ。そこあの、和食屋さんじゃなくて、お通夜の席だったんですよね」

 和食屋だと思ったらお通夜の席でした。番組では、この「○○かと思ったら△△でした」に収まる西村のエピソードトークを、コウメ太夫のシステムと一緒、と紹介。慧眼だ。この日、西村からは「露天風呂かと思って入ったら池でした」という、実際のコウメのネタに類似したエピソードも披露されていた。

 テレビでは『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系)や『ごきげんよう』(フジテレビ系)などでその天然っぷりを遺憾なく発揮してきた彼女。それらの番組の終了とともに全国ネットのテレビで見ることが減っていたのだけれど、あらためてそのエピソードを聞くと、やっぱりホンモノは違うという印象を抱いてしまう。

 あまたの天然がニセモノと判定され、あるいはホンモノ/ニセモノの判定に疲れて消えていく芸能界。そのなかで、ホンモノの所在をたしかに示す北極星のように、彼女は揺るがず存在し続けていたのだ。

 なお、芸能界屈指の資格ゲッターでもある西村。54個の資格・検定を所持しているというが、そのなかには「カッパ捕獲免許」なるものも。その免許をもってカッパを岩手県遠野市の観光協会につれていけば、1000万円もらえるらしい。だが、そもそもカッパなどいるのか? そうやってカッパの存在を疑う共演者に対し、彼女はこう断言した。

「カッパはいます。なぜかというと、私は会ったことないんですけど、浅香唯さんは会ったことあるんですよ」

 この世にカッパが本当にいるのかどうかはわからない。けれど、確かなこともある。芸能界に天然はいる。そこにいくらか作為的なものが嗅ぎ取られようとなんだろうと、西村の存在それ自体が、天然という存在様式の定義なのである。

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