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NHK『逆転人生』が最終回で大爆発!「かぼちゃの馬車」事件のスルガ銀行を名指しで総攻撃

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『逆転人生』(NHK)

 NHKのドキュメンタリー番組『逆転人生』が、2018年に発覚した「かぼちゃの馬車事件」を最終回でピックアップ。詐欺の片棒を担いだスルガ銀行をこき下ろした。同番組は、様々な創意工夫や努力で困難を乗り越えた人を紹介する番組。最終回では、2億円の借金を背負わされた男性が借金帳消しを求めて戦う姿が紹介された。

「かぼちゃの馬車事件は、『絶対に儲かる』とアパート経営の投資話を持ちかけて、実際の価格よりはるかに割高な価格で物件を買わせ、巨額の借金を背負わせた事件。『かぼちゃの馬車』は、不動産会社が展開していた女性専用シェアハウスの名前で、被害者は1000人、被害総額は1500億円にも上りました。

 融資を行ったのは静岡県沼津市に本社を置くスルガ銀行で、番組では冒頭からスルガ銀行の名前が実名で登場。追求に対して自分たちも被害者だと開き直る様子、杜撰な融資の実態、現役行員の告発、大荒れとなった株主総会など、銀行の恥部が隅から隅まで、これでもかと言わんばかりに明かされました」(フリーのジャーナリスト)

 ウマい儲け話に乗った投資家にも責任はあるだろうが、不動産会社と銀行が手を組めば、庶民を騙すなど赤子の手をひねるようなもの。事件が闇に葬られていたらと思うと末恐ろしい話だ。銀行といえば堅い企業の代表で、銀行員の社会的信用度は高いが、スルガ銀行の悪辣さは際立っていた。

「当時、全国の地銀の業績が低迷する中で、スルガ銀行はイケイケドンドンで個人融資を行って業績を伸ばし、金融庁長官から“地銀の優等生”として名指しで賞賛されたほど。当時、地銀なのに広告予算はメガバンクレベルで、大手広告代理店と組んでバンバンとメディアで広告を打っており、すっかり信用してしまった人は多かったはずです。

 ただ、報告書では『偽装が一切無い案件は、100件中、あって1件か2件』『不正が全くない案件など、全体の1%あったかなかったか』など、およそ人様のお金を預かる金融機関とは思えぬ酷い融資実態が判明。さらに、過酷なノルマや壮絶なパワハラが横行していたことも暴かれ、『こんなに面白い読み物はない』と、金融関係者の間では大きな話題になりました」(ビジネス誌記者)

 公正中立を謳うNHKでは、商品名をなるべく隠すのは有名な話だが、告発となれば話は別。過去にも不動産業界がターゲットになったことがある。

「2020年にサブリースが大きな問題になりました。サブリースとは、オーナーが建てたアパートを業者が丸ごと借り上げて賃貸に出し、収入を保証するものです。しかし全国でトラブルが多発したため、NHKが特番を作り、この時はレオパレスを名指しで批判しました。

 NHKは現在、スクランブル放送の導入や“NHKが映らないテレビ”など、受信料問題が懸案となっていますが、社会正義を貫く番組を積極的に制作すれば、受信料への理解も自ずと進むのではないでしょうか」(前出・ジャーナリスト)

 今回のスルガ銀行の回は、最終回に取っておいたのか、最終回だから放送できたのか、果たしてどちらだったのか……。

藤井利男(ライター)

1973年生まれ、東京都出身。大学卒業後に週刊誌編集、ネットニュース編集に携わった後、独立。フリーランスのジャーナリストとして、殺人、未解決事件、死刑囚、刑務所、少年院、自殺、貧困、差別、依存症といったテーマに取り組み続けてきた。趣味はダークツーリズム。

ふじいとしお

最終更新:2022/03/19 07:00
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