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『ぼけますから、よろしくお願いします。』続編、池上彰が信友直子監督に見た“プロ根性”

文=伊藤綾(いとう・りょう)

『ぼけますから、よろしくお願いします。』続編、池上彰が信友直子監督に見たプロ根性の画像1
撮影=筆者、以下同

 
 3月25日より、映画『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』が新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開となった。3月26日、テレビディレクターで本作の監督・信友直子さんによる舞台挨拶がシネスイッチ銀座で開催された。

 令和元年度文化庁映画賞、文化記録映画大賞を受賞するなど、高い評価を得たドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』(2018)の続編となる本作。舞台挨拶ではジャーナリスト・池上彰さんをゲストに迎え、その魅力などが語られた。

映像作家と実の娘の狭間で

『ぼけますから、よろしくお願いします。~おかえり お母さん~』は、東京でディレクターとして働く信友直子監督が、広島県呉市で暮らす認知症の母親と、耳の遠い父親の生活をありのままに映し、大ヒットしたドキュメンタリー。

 続編となる本作では母親の入院と、新型コロナの世界的拡大により、いつも一緒だった夫婦が顔を合わせることさえままならなくなった現実を記録。日本が抱える高齢化社会の問題を含みながらも、「こんなふうに生きられたら」と観る者に憧れを抱かせてくれるような幸せな夫婦の姿を捉えた。

 池上さんは1976年からの3年間、NHKの呉支局に勤務していたことがあり、本作の舞台で監督の実家がある広島県・呉市には縁があるという。

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「栄町商店街など懐かしい場所が映画の中でもたくさん出てきました。商店街のやり取りなどを見ると、本当に心優しい人たちに囲まれ、ご両親がずっと暮らされてきたんだなと思いました」(池上さん)

 本作の魅力として、アルツハイマーや老老介護など高齢化の中で日本社会が抱えるさまざまな問題を提起しながらも、あたたかい優しさとユーモアに溢れている点を紹介。信友監督は続編制作の経緯を語った。

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「前作を公開する頃に母が脳梗塞になり、ディレクターの業として撮らないと気が済まないという感じでした。撮っていいかどうかわからないけど、とりあえず撮って後から考えようと。映像に定着させて初めて映像作家としては作品になるので。そこは絶対に撮っておこうとは思いました」(信友監督)

 池上さんが「家族をプロとして撮るって大変なことだと思うんですが、その葛藤はなかったですか?」と問うと、信友監督は「根っからこの仕事が好きなんだなと思いました」とコメント。

「例えば父と母が大喧嘩するシーンは娘として割って入って止めるべきだったのかもしれませんが、あの時の私はそんなこと全く考えず、完全にディレクターモードでした。それまでカメラ向けても何も言わなかった母からあの時、初めて『アンタ、写真ばっかり撮らないでよ』と言われたんですが、これは絶対に撮っておかないといけないと思って。母からカメラ見えないように襖だけ閉めてカメラは回し続けたという。まあ、人間としては失格かもしれませんが、ディレクターとしては興奮する瞬間でした」(信友監督)

 夫婦喧嘩のシーンについて池上さんは「観ていて少しいたたまれなくなるシーンではあるんですよね。認知症の方がカッとしてしまって、長年連れ添い労わりあっていた夫婦が喧嘩してしまう。だから、あそこでずっとカメラを回し続けたのはすごいプロ根性ですし、綺麗事ばかりじゃない現実を突きつけられる貴重なシーンだと思います」と、感想を述べていた。

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