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『関ジャム』サカナクション・山口一郎が明かす作詞のプロセスとデヴィッド・ボウイとの類似点

「ユーミン感」「米米CLUB感」「ボビー・コールドウェル感」を盛り込んだ楽曲

 山口はメンバーに楽曲コンセプトを伝える際、円グラフを用いるそうだ。例えば、楽曲「忘れられないの」のときは「シティポップ」「ユーミン感」「ボビー・コールドウェル感」「米米CLUB感」という要素が手書きの円グラフに書き込まれていた。いや、円グラフこそ手書きじゃなくてイラストレーターを使えばいいのに……。

 でも、腑に落ちた。「忘れられないの」を聴くと、ボビー・コールドウェル感をメチャクチャ感じるのだ。言われてみると、米米感とユーミン感もなんとなく感じる。MVでは杉山清貴っぽい扮装をした山口だが、この曲に「杉山清貴感」はないんだな……。

「混ざり合わないものをうまく混ざり合わせられたときに生まれる良い違和感というのが、僕らの胸に引っかかるものだと思うんです」(山口)

 これもしっくり来る。サカナクションを聴くと、何か違和感が胸に残る。そういうことだったのか。

“理想のライブ”で行き着く先は「建築」!?

 山口が思い描く“理想のライブ”は、4年間でネクストステージに進んでいた。まず、お客さんに「触感ベスト」(着ると振動や衝撃が体感できるベスト)とウェアラブルスピーカー(肩からかけて耳が遮断されないスピーカー)を着けてもらいたいそうだ。

「例えばですけど、レーザーが当たったときにレーザーが当たった感じがするとか。あと、曲が終わったときにウェアラブルスピーカーから風の音がピヤァ~って吹いて、次の曲に入っていくとか」(山口)

 面白いけども、死ぬほどお金がかかりそうだ。それらのツールがお客さん負担の買い取りだとすると、チケット代は2~3万円以上になるはず。今だって、サカナクションのライブはチケット代が高いのに……。

 さらに、山口が気にしているのはライブ会場そのものだった。

「最終的には、ライブは“建築”だなと。国内にあるアリーナと呼ばれる場所って、音楽のために作られてないんですよ。公共事業としてアリーナを作るとき、音のことを考えて作ってもらえると僕ら的には使いやすい。(音の)反響が少ないところとか。結局、箱の鳴りなんで」(山口)

 最終的には、一級建築士の資格を取りそうな勢いである。4年後の山口がどうなっているか、楽しみだ。

 今回の特集で出色だったのは、歌詞が生まれるプロセスを見られたことだ。これに尽きる。ミュージシャンの芯の部分に迫る切り口だった。作詞の過程を見てみたいミュージシャンは他にもたくさんいる。ぜひ、別の回でも続けてほしい企画だ。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2022/04/10 20:00
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