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『明日カノ』箭内夢菜が演じる萌は共感度ダントツ? “見られている”女性たちのリアリティ【インタビュー】

文=菅原史稀(すがわら・しき)

『明日カノ』箭内夢菜が演じる萌は共感度ダントツ? 見られている女性たちのリアリティ【インタビュー】の画像1
箭内夢菜(Photo by 日高恭悟)

「わかりすぎてツラい」「こういう子、まじでいる」――今を生きる女性たちのリアルな人物描写と時代を的確に捉えた表現で、読者から強い共感を得て大ヒットを記録している、をのひなお氏の漫画『明日、私は誰かのカノジョ』(サイコミ連載中/小学館、以下『明日カノ』)。

『明日カノ』の実写ドラマ版が、4月12日から放送をスタート(MBS、TBS/毎週火曜深夜)。早くもSNSで反響を呼んでいる。

 レンタル彼女のアルバイトをする雪、パパ活生活を送るリナ、整形にのめり込む彩、ホストクラブに通い詰めるゆあなど、さまざまな事情を抱えた女性主人公たちによって繰り広げられる同作は、現代日本の一部分を切り取った“社会派漫画”とも呼べるだろう。

 ドラマ『明日カノ』で主要人物の一人である萌役を務めるのは、女優でタレントの箭内夢菜(やない・ゆめな)。

 ゆあに誘われたことがきっかけで、自信のなさからホストにハマっていく萌は、原作読者から大きな共感を呼んでいるだけでなく、ドラマ版を手がける酒井麻衣監督が「何度もオーディションを重ねて配役を決めた」と明かしているキャラクターだ。

「そんな萌に、特別な思いを抱く」という箭内。萌を演じる役者として、登場人物たちと同世代の一人の女性として、『明日カノ』により映し出される現代の若者を取り巻く空気感や、葛藤について考えてもらった。

今のままの私で演じられる、萌への思い入れ

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――原作を読んでどのような感想を持ちましたか?

箭内夢菜(以下、箭内):読み進める手が止まらなくなるくらい、とても楽しみながら読みました。主人公の女性たち一人ひとりの性格はまるで違うのに、それぞれに共感する部分があったのも不思議で。

 今回、萌役としてドラマ版に出演させていただくことになり、改めて読み直したらより深く萌の心情や生活に目が行くようになって、見え方もかなり変わりました。

――箭内さんの目には、萌はどのような女性に映りましたか?

箭内:私も萌に共通するところがあるなあと感じています。例えば、彼女には「私はみんなとは違う」「私は人に流されない」と強く思って生きているところがあるんですけど、それは逆に、周りの目をすごく意識しているからなんじゃないかなと思っていて。

 私もよく「いま自分はこの人にどう思われているんだろう」と考えちゃう人なので、萌もそういう気持ちを抱いて、周りを気にしながら街を歩いたりしているのかな? って。

――萌からは他の登場人物にはない自意識を感じますけど、それは「周りの目」を気にする心情から生まれているのではないかと。

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箭内:そういう気がしています。萌は自分と人を比べてしまったりすることも多くて、自己肯定感が低くなってしまう子だと思います。例えばリナ(演・横田真悠)みたいな“THE・女の子”っていうタイプの子を見ていると、「自分の居場所が定まってて羨ましいな」と感じたり。雪も、大きなコンプレックスがあったりもするけど、レンタル彼女として仕事をするっていう“自分”を持っているじゃないですか。

 そんななか、萌は「私はどこに居ればいいんだろう」と揺れ動いてるところが、他の子たちとの違いなのかなって感じます。

――たしかに萌は、作中でゆあに連れられてホストクラブへ行ったことをきっかけに、見た目にも生活にも大きな変化を見せています。その変化も、彼女が自分の居場所を探しているからこそ、起こったことなのかもしれないです。

箭内:そうそう。登場人物のなかで唯一、大きな変化を見せていくのが萌なので、そこがこの作品の大きな見どころの一つにもなっていますし、私みたいに、萌にすごく共感する人も多いんじゃないかなと感じます。

――ちなみに、『明日カノ』主人公たちのなかで、箭内さんがいちばん友達になりたいなと思うのは誰ですか?

箭内:うーん、やっぱり萌ですかね。自分が演じている役でもあるけど……、彼女の気持ちがよくわかるからこそ話を聞いてあげたくなるし、一緒にいて楽なようにも思います。相手の気持ちを汲み取って、寄り添ってあげられるところが萌の魅力なので、仲良くなってみたいですね。けっこう気難しい人でもあるから、萌ちゃんが私のことを気に入ってくれるかどうかはわからないですけど(笑)。

――萌は好き嫌いがハッキリしてますもんね。そういう意味では、まったくタイプの違うゆあが、萌の心の壁を突破していったところが興味深く映りました。

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箭内:一見、正反対の二人だからこそ仲良くなれたところもあるのかな?

 萌がホストクラブで出会って、どんどん好きになっていったホストの楓(演・高野洸)も、萌の心を開いたキャラクターですよね。萌が楓に心を開きすぎたせいで周りが見えなくなって落ち込んでいくところもあるから、見守っているこちらとしては「楓め~!」って思ってしまうけど、作中では決して楓を“悪い人”としては描かずに、彼は彼で一生懸命にホストの仕事をこなしているだけっていうふうにしているところも、リアルだしフェアだなと思います。

――人物の気持ちや人間関係の描かれ方がステレオタイプではなく、とても細やかに描写されているところが、この作品の真実味につながっていると言えそうです。

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箭内:はい。例えばSNS上に書き込まれる悪口の感じとか、本当にリアルだなって感じてます。なので私も萌を演じるにあたって、血の通ったキャラクターになるように意識しているところです。

 そういう意味では、他の女性登場人物とは違って、特徴的な体型の萌を、自分が演じさせていただくことになったことに強い縁を感じているんです。

 というのも……以前、ある別の映画に出演のお話をいただいていたんです。その作品の監督さんから直々にご依頼のお手紙をいただいたりもして、すごく迷ったのですが……その役柄を演じるにあたって私の体型を変化させる必要があって。
 本当にありがたいお話だし、すごく演じてみたかったけど、減量を伴う役作りに対して自分の健康面の不安や精神的な葛藤もあって、結果としてお断りさせていただくことにしました。

 すっごく悩んだし、「やったほうが良かったのかな……」とも思ったけど、そのときの役をお断りすることを選んだからこそ、今回、萌というぽっちゃりした体型の役柄を今のままの私で演じられるんだ、と感じて。もちろん、これまで演じさせていただいた役も精いっぱい取り組んできましたが、そういうこともあったから、萌には思い入れがあるし、よりいっそう役に打ち込むことができる気がしているんですよね。

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