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「プロレスは格闘技の2.5次元」きつねとDDTが考える“プロレスブーム”の行方

「プロレスは格闘技の2.5次元」きつねとDDTが考えるプロレスブームの行方の画像1
写真=オノツトム

 イケメン俳優たちが演じる、アニメ・マンガやゲームを原作にした舞台やミュージカルが隆盛を極めている。「2.5次元コンテンツ」と呼ばれるそれらは、2003年からスタートした『ミュージカル「テニスの王子様」』(通称「テニミュ」)の人気をきっかけに、いまやジャニーズやK-POPなどの人気コンテンツと肩を並べる存在になった。

 そんな「2.5次元」なる世界に魅了され、至って真剣にパロディーする男たちがいる。お笑い芸人のきつねとDDTプロレスリングの面々だ。

 きつねは、バラエティ番組『有吉の壁』(日本テレビ)でネタとして披露した「2.7次元ミュージカル KOUGU維新」がSNS上でも大反響を呼び、番組を飛び出してオンラインでのミュージカル(「最初で最後のミュージカル KOUGU維新±0~聖夜ヲ廻ル大工陣~」)を開催するまでに至った。

 一方、DDTでは、プロレスに2.5次元ミュージカルのエッセンスを加えた2.9次元ミュージカル「まっする(読み方:ひらがなまっする)」が2020年からスタート。レスラーたちが必殺技の擬人化「必殺技男子(読み方:フィニッシュダンシ)」と、それに敵対する「パイプイス男子」に扮し、リング上で「歌って踊って演じて戦う」という新しい興行スタイルがプロレスファンの間でも評判を呼んだ。

 今回は「KOUGU維新」を生み出したきつねの2人と、「まっする」の総合演出を務めるスーパー・ササダンゴ・マシン(マッスル坂井)、出演者の上野勇希の4人を招集。前半戦では「2.5次元」の魅力について語り尽くした。

 しかし後半戦、話題は2.5次元から「プロレスがブレイクするにはどうしたらいいか」というテーマへ発展。きつねのプロデュース能力が発揮され、新たなアイデアが次々生まれる展開に……。

「プロレス流行りそう」と言われ続けて10年がたちました

淡路 めっちゃ謎だったんですけど、ササダンゴさん、プロレスものの原作ってなんであんまりないんですか? 『キン肉マン』だけですよね? マンガにしたら面白くなりそうじゃないですか。

スーパー・ササダンゴ・マシン(以下、ササ) そうなんですよ。プロレスマンガって意外となくて。要はこれって、プロレス自体が実はマンガなんですよね。プロレスが格闘技の2.5次元なんです、すでに。

きつね なるほど~!

ササ 最短距離で殴らないで大ぶりに見せたり、派手に受けてみせたり。受け身の音は効果音でありSEであり。リアル2.5次元なんですよ。だから面白いなと思ったんですよね。

大津 すごいいい話やな。

ササ でも今のこの話に対して、プロレスラー(上野)が「うんうん」ってうなずかないところがかっこいいんですよ。彼はおとぎの世界の人だから。

上野 スーパー・ササダンゴ・マシンもプロレスラーじゃないですか!

ササ これはスーパー・ストロング・マシンの2.5次元だから!

淡路 ややこしなってきたなぁ(笑)。プロレスラーが転生するマンガとかあったら面白そうだなと思いますよ。

大津 面白そうやな。あと、今ってコロナで接触がダメじゃないですか。だから、落ち着いたらその反動で“接触需要”がめちゃくちゃ増えると思うんですよ。それを見越して「マンガワン
」(編註:小学館のマンガアプリ)あたりにプロレスを扱った原作投げておいて、それをもとに興行したらめっちゃ儲かるんちゃうかな。同時に、メディアに強いABEMAあたりとパイプつないだりして。プロレス自体、もっと流行る伸びしろはめちゃめちゃありますよね。実際、「流行りそう」ってずっと言われてるとは思いますけど。

上野 この状態って何年くらい続いてるんですか?

ササ 「流行る」って言われて10年はたってる。

上野 僕がプロレス始めてからの6年はどっぷりその期間ですね(笑)。一度観ていただいた方には魅力が伝わるんですよ。そこで「プロレス面白い」っていっぱい言ってもらって、いつもうれしいし、もっといけるなと思うんですけど……その状態が長くて。

ササ 今、女子プロが来そうな雰囲気があるんです。それこそNetflixがダンプ松本さんの自伝マンガを原作にドラマをつくってたり(『極悪女王』)。

大津 でも女子が来るってことは男子も来ますから、絶対。

上野 ポートレート売ったり、女子のやり方に寄っていってる部分もあります。

ササ この人(上野)のポートレート、めちゃめちゃ売れるんですよ。

淡路 売れるでしょうねぇ。どんなのが売れるんですか?

上野 この前撮影したのは、コスチュームでバイクに乗ってるという……基本コスチュームなんで、そことよくわからないテーマをかけ合わせると売れたりします。カジノのディーラーとか。

大津 おもろ。お笑いやん。

ササ 裸でバカラ(笑)。

「プロレスは格闘技の2.5次元」きつねとDDTが考えるプロレスブームの行方の画像2
実際の上野選手のポートレート

上野 僕は今はチャンピオンではないんですけど、それでもポートレートがたくさん売れることもあって、何をどう目指すのか考える日はあったりしますね。プロレスが広まるには何が一番大事なんだろうって。

大津 やっぱりプロレス愛がすごく強いんですね。

ササ 今の20代の子たちはまっすぐプロレス好きですね。僕ら40代は生活のためにやってますけど、この子たちは夢のためにやってますから。

淡路 上野さんはどうやってプロレスと出会ったんですか?

ササ (上野に「話してやれ」とけしかける動き)

上野 僕はちょっと特殊で。竹下幸之介が高校の同級生なんです。17歳のときにDDTでデビューしたのを知って、「ほな応援しに行こうかな」って見に行ったのがプロレスとの出会いでした。それで「こんな面白いもんがあんねや」と。

淡路 かっこよかったんだ。

大津 マンガやん。

ササ もうひとり、吉村(直巳)という選手も同じ大阪出身で、子どもの頃にわんぱく相撲で竹下に負けた過去があってDDTに入ってきてるんですよ。

上野 それもモンゴルまで行った試合で負けてるんですよね。

大津 マジでもうマンガやん。原作あるやん。

淡路 モンゴル編やん。

ササ マンガなんですよ。いいよな~~~(しみじみ)。

上野 タケ(竹下)がすごいんですけどね。

──ササダンゴさん、すごくうれしそうに聞いてましたけど、上野さんのそのエピソードお好きなんですね。

ササ そうそう。「テレビでタイガーマスクを観て」みたいな遠い世界への憧れじゃなくて、クラスメイトがリングに上がって闘ってる姿を見て「俺もやりたい」って、その眩しさに当てられて入ってきてる。意外とこの世代は半径5メートルの中で生きてるんだなって。

大津 くすぐりますねぇ、それは。

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