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ダウンタウンの漫才に隠された芸人たちへの痛烈なメッセージ

ダウンタウンの漫才に隠された芸人たちへのメッセージの画像1
イラスト/新道竜巳

 ダウンタウンさんが吉本興業創業110周年特別講演~伝説の1日で30分の漫才をされ、各所で「面白い」「凄かった」と話題になっています。当然、久しぶりに見る漫才の見応えのすばらしさ、ネタの性質、言い方、間の取り方、掛け合いの技術「これがダウンタウンだ」と思わされる表現が次々に登場し、感動となつかしさ、新しさ、が混在し目が離せなかった方も多いことでしょう。

 ダウンタウンさんが漫才をしたというその事がいったいどうゆう事なのか――。内容については一旦置いておいて“今後芸人はどうしていかなければならないのか”というメッセージにも受け取れました。

 これまでダウンタウンさんはお笑い回の第一線で活躍し、ずっと売れ続けています。そしてこれからも売れ続けることでしょう。振り返ればダウンタウンさんの漫才を真似て勘違いした芸人が大量に生産されてきました。今回の漫才でもそれと同じように、漫才とは“こうしなければならない”という事が隠されているように思います。そしてそれは、漫才のタイプという意味ではなく、漫才のあり方なのかもしれません。

 今回の話題の核となる部分はまず、久しぶりにダウンタウンが舞台で新ネタ漫才をやった、という部分でしょう。今までいろいろなバラエティ番組で「漫才はされないんですか」とテンプレートのように言われてきて、もう売れているし、売れるためにやっていた漫才を今やる必要はなかったはずだったのです。しかし予想以上に、売れている芸人さんたちはダウンタウンさんの漫才が好きでリスペクトしています。今現在の「M-1グランプリのファイナリスト」もダウンタウンさんに憧れてお笑いをはじめた芸人さんが僕を含め沢山いると思います。

 そして、今回トップとして立ち振る舞うダウンタウンさんが漫才を舞台でやるということは、今後芸人は売れてもネタをやり続けなければならない、やり続けていかなければならない、という流れが出来たと思いました。

 それは憧れという事では収まり切れない、時代から産まれる指令でもあるように思います。そういう時代の幕開けとなった、ということですね。

 これまでも売れている芸人さんが単独ライブを打つと「凄い」と称賛されることはありました。バナナマンさん、さまぁ~ずさんなどは売れているのにネタをやっている芸人の見本、理想のような立ち位置にいたかと思います。言い方を変えれば「売れているのにネタをやっていて偉い」という見られ方があったようにも感じました。それは「売れた芸人はネタをやらなくてもいい」という事が当然の事としてあったからだと思います。

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