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上島竜兵さん、渡辺裕之さんと働き盛り60代男性の“逢魔が時”

値上げラッシュの日本が考えるべき食糧安保の危機

 ところで、昔は「遠い戦争は買い、近い戦争は売り」という言葉があった。

 朝鮮戦争は近い戦争だったが、敗戦で焦土となった日本にとっては「朝鮮特需」という干天の慈雨になった。

 ベトナム戦争は、沖縄の米軍基地から戦闘機が飛び立ったが、平和憲法のおかげで日本は戦闘に参加することはなく、文字通り「遠い戦争」で、ベトナム特需に沸き立った。

 だが、今や世界は狭くなり、国際情勢も様変わりした。今回のウクライナ戦争では、特需どころではなく、原油だけではなく、小麦などが品薄・高騰して、日本も軒並み値上げラッシュである。

 アメリカと核を共有しようなどというバカげたことを考えるより、食糧安保を考えなければ、冗談でなく、飢え死にするかもしれない。

 腹が減って戦争などできるわけはない。

 サンデー毎日は、資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫に、ロシアとウクライナの戦争が日本に与える影響の大きさについて聞いている。

 柴田によると、小麦は、ロシアが生産量3位で、輸出量が1位。ウクライナが生産量8位で、輸出量は5位だという。

 その両方が戦争をしているのだから、生産量も輸出量も減りこそすれ、増えるわけはない。

 2010年12月に北アフリカのチュニジアで始まった「ジャスミン革命」は、エジプト、リビア、イエメンなどに広がり、「アラブの春」と呼ばれた。

 背景には小麦問題があり、これらの国の食糧問題が深刻化して起こったという。今回も、第2の「アラブの春」が起こる火種はあるという。

 4月5日、農業・漁業の開発に関する会議にビデオで出席したプーチンロシア大統領は、
「ロシアに敵対的な政策を取る国々への輸出を慎重に監視しなければなりません」と語ったという。

 プーチンは、食料を天然ガスや石油と同じように、「戦略物資」と考えているというから、反ロシアを鮮明にした日本へは厳しい輸出制限をしてくる可能性大だ。

 その上、ロシアは近代農業に欠かせない「肥料の三元素」、窒素、リン酸、カリウムなど肥料の主成分となる物質の主要生産国だというのだ。

 日本はカロリーベースで、20年度の食料自給率は37%しかない。それに穀物在庫は世界で8億ドルになるというが、そのうち約5億ドルは中国が在庫している。

 アメリカ一辺倒がいかに危険かはいうまでもない。ロシアはともかく、中国とはなんとしてでもパイプをつないでおかないと、日本人は全員餓死という事態も、笑い事ではない。【4/8】 5ページ目はこちら

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