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『家つい』大家族ものに見る悲哀。7人姉妹長女への“お祝い”を“呪い”にしてほしくない

「シャンプーの代わりに重曹」28歳年収1000万の彼が超節約する理由

 十条の商店街で番組スタッフが声をかけたのは、28歳の男性。職業は、なんと会社経営者である。なのに、今住んでいる部屋は築60年、家賃5万円のアパートだそうだ。

「趣味は節約と資産運用。携帯・電気・ガスは全国のプランを調べて表計算ソフトに記載し、1番最適なプランを探して節約を頑張っています」

 興味深い。スタッフは彼の家について行くことにした。

 いざお邪魔すると、部屋の前に野菜やら納豆やらマヨネーズなどの食材が無造作に置いてあった。なぜ?

「冬場なので冷蔵庫を止め、そこに(食材を)出しています。電気代、もったいないんで」

 いきなり、スゴいインパクトだ。環境に優しいSDGsをしている……と言えなくもないが、さすがに納豆はヤバいのでは? ただ、彼なりに計算は立っている模様。気温と湿度のロガーを置いて、冷蔵庫と同等の状態を満たせているかチェック。結果、問題なしと判断されたようだ。

「これは初期費用(ロガー代)が2~3千円くらいかかったんですけど、冷蔵庫をフルで稼働させると1カ月で1,000円前後。3~4カ月くらい使うと損益が分岐するんです。もう、損益が分岐したなって」

 損益分岐点、かつて視聴した『マネーの虎』(日本テレビ系)で知った難しい言葉だ。この部屋は冷蔵庫の損益が分岐したご家庭である。

 他にも、節約ポイントはある。浴室に行くと、2種類のスプレーが置いてあった。重曹とクエン酸だ。

「シャンプーの代わりに重曹を使い、リンスの代わりにクエン酸を使ってます」

 重曹だけだとキューティクルが開いて髪がゴワゴワになるが、クエン酸をつければキューティクルが引き締まる。それがリンスの効果ではないのか? と、彼は予測を立てたのだ。

――それ、(シャンプーとリンスの)代わりになるんですか?
「一応、実験中ではあるんですよね。1年以上やっていて、あんまり他の人と差異ないとは思ってるんですけど(笑)」

 筆者は遠慮したい。でも、昔の人は米ぬかで髪を洗っていたと聞くし、決して馬鹿にできない。でも、それにしては自然乾燥じゃなくドライヤーで髪を乾かしているのはなぜ? しかも、そのドライヤーはまさかのダイソンである。間違いなく高値のやつだ。他にも、「ノーシャンプーにすればいいのでは?」「シャワー代(水道代)を惜しんでみては?」「坊主にすればいいのでは?」と疑問は尽きないが、こういう場合、最も言いたいのは「収入を増やす方向に力を入れたほうがいいのでは?」である。

――今、お仕事は?
「肩書だけだと会社経営です。実態は、自分自身がSEとなって自分自身を現場に派遣しています」
――収入はおいくらくらいなんですか?
「1,000万円ちょっとですね」

 お金、あるじゃん! 年収1,000万ならもっといい生活をし、経済を回せばいいのに……。

 でも、彼は節約をやめない。洗濯には洗剤を使わず、服とマグネシウムを一緒に入れて洗濯機を回すらしい。

――それで汚れがとれる?
「だと、信じてます(笑)」

 残念だ。マグネシウムの洗濯効果については、消費者庁が昨年否定をしていたばかりだから……。とにかく彼は“実験”と称し、自身の憶測でたくさんの節約術を実践しているみたいだ。

 正直、筆者も始めは「28歳でこんな生活をしていて何が楽しい?」と眉をひそめていた。でも、どうやら彼は楽しんでいる。この人は節約することが好きなのだ。だから、その生き方を非難する時点でお門違いだと思う。

 きっと、彼は結婚できなくてもいいのだろう。容姿は清潔で、普通にお相手は見つかりそうな男性である。でも、見方を変えると結婚こそ人生最大の出費。だから、彼にそのつもりはない気がする。

 ちなみに、男性の月の生活費は家賃を除くと4万円だそう。食費15,000円、電気・水道・ガス代10,000円、通信費4,000円、書籍代1~6,000円という内訳だ。正直、言うほど節約できていない気がする。なんでもかんでもケチるのではなく、「価値がない」と思うものにお金を払いたくないということなのだろう。

 さて、彼は節約の果てに何を目指しているのか?

「“生活費のための労働”から脱しようと考えています。人間関係を壊すことも多く、普通の会社に行き、自分が評価されて昇進していく……という自信がなかったんです(苦笑)。もうあと1,000万ちょっと貯まれば、運用だけで生きていける手応えが掴めているので。30代のうちには労働から抜けられると考えています」

 スゴい! では、仕事をやめられたらあとはどんな風に生きていくのか?

「日本以外の国に住みたいという願望があるんです。東ヨーロッパ、チェコやポーランドも興味があります」
――行って何をしたいとかありますか?
「外国人の女性と結婚してみたいですね。フフフ」
――東ヨーロッパってことは、いわゆる白人で金髪みたいなイメージですか?
「そうですね。素敵なご縁があればなあ……と思ってます」

 結局、そこかよ! さっき、憶測で「この人は結婚しなくてもいいのだろう」と書いたが、実際はバリバリ結婚したがっていた模様。しかも、パツキン美女とである。斜め上の俗な願望を聞き、なぜか安心してしまった。働きたくないから節約し、その理由は外国の金髪のお姉ちゃんと結婚をしたいから。いいオチである。

 

 

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/05/18 20:00
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