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ムロツヨシ×岸井ゆきの『神は見返りを求める』“善意”の中の闇を徹底的に抉る、身近な物語

文=バフィー吉川(ばふぃー・よしかわ)

ムロツヨシ×岸井ゆきの『神は見返りを求める』善意の中の闇を徹底的に抉る、身近な物語の画像1

 見返りを求めなかった男には、実は下心があった……というような物語ではなく、主人公の田母神(ムロツヨシ)は、ゆりちゃん(岸井ゆきの)に心から成功してほしいと願って協力していた、本当に“いい人”なのだ。

 ムロツヨシが演じることによって、その人の良さがにじみ出ていた。ムロツヨシ本人のキャラクターをメタ的に取り込んだ、見事なキャスティングだといえるだろう。

ムロツヨシ×岸井ゆきの『神は見返りを求める』善意の中の闇を徹底的に抉る、身近な物語の画像2

 しかし、本作が描くのは、ハートフルな人間ドラマではない。ムロツヨシにとっては新境地であるが、ファンであれば複雑な気持ちになるかもしれない。『マイ・ダディ』(2021)や、今年9月公開の『川っぺりムコリッタ』といった近年の出演作品が、これまた“いい人”の役が続いていただけに反動がすごいだろう。

 というか、『ヒメアノ~ル』(2016)や『愛しのアイリーン』(2018)の吉田恵輔監督が、そんな甘ったるい物語を作るはずもない。

ムロツヨシ×岸井ゆきの『神は見返りを求める』善意の中の闇を徹底的に抉る、身近な物語の画像3

 吉田監督といえば、去年公開され、まだ記憶に新しい『空白』で、万引きするところを見咎められた女子中学生が事故で命を落とし、その父がやり場のない憎悪や悲しみ、「こんなはずじゃなかった……」という心からの叫びを容赦なく描いていた。

 そんな吉田監督が、またしても人間の心の中にある闇を浮き彫りにし、さらに抉る。映画『神は見返りを求める』が、6月24日から公開される。

 そして、我々はまた思うはず。「こんなはずじゃなかった……」と。

【ストーリー】
本作の主人公・イベント会社に勤める田母神は、合コンでYouTuber・ゆりちゃんに出会う。田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」かの様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。ふたりは、人気がでないながらも、力を合わせて前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていくが……あることをきっかけに、二人の関係が豹変する……。

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