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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.693

人間を本能に忠実にさせる感染症が蔓延! 台湾発のR18ホラー『哭悲/THE SADNESS』

文=長野辰次(ながの・たつじ)

岸井ゆきのを「ゲスかわ女優」と呼びたくなるムロツヨシとの共演作『神は見返りを求める』の画像1
「二度と観たくない傑作」と評される感染パニック映画『哭悲/THE SADNESS』

 ウイルスは変異を繰り返すことで、自然界の環境に適応しようとする。台湾発のホラー映画『哭悲(こくひ)/THE SADNESS』は、そんな変異型ウイルスのような作品だ。未知のウイルスに感染した人たちが凶暴化し、次々と周囲の人々に襲いかかるというゾンビ映画のフォーマットを踏襲しながら、より現代的にアップデートされた恐怖を描いている。R18指定されているので、観る人は振り切ったスプラッターシーンの数々に覚悟して臨んだほうがいいだろう。

 舞台となるのは台湾の首都・台北。同じベッドで眠る若い恋人たちの日常生活の描写から、物語は始まる。目が覚めた恋人たちは、有休の過ごし方でちょっとした口論になってしまう。OLとして働くカイティン(レジーナ・レイ)は、来週から2人で旅行するのを楽しみにしていた。だが、不定期雇用のジュンジョー(ベラント・チュウ)は、うっかり仕事を入れてしまっていた。ご機嫌斜めのカイティンを、必死でなだめるジュンジョー。愛し合う2人は、ケンカさえも楽しんでいるようだ。

 いつものようにジュンジョーがカイティンを地下鉄の駅までスクーターで送っていくと、街の雰囲気がどこかおかしい。傷害事件が多発し、パトカーがやたらと出動している。まるで香港で起きている民主化デモの取り締まり騒ぎのようだ。夕食の約束をして、別れる2人。このときは、街の異変は一過性のものだろうと、2人は甘く考えていた。

 なじみの店でコーヒーを飲もうとしたジュンジョーが、まず異常事態に遭遇する。店に異様な姿をした老婆が現れ、「大丈夫ですか?」と親切に声をかけた男性はいきなり吐瀉物を顔から浴びせられた。老婆が暴れ、店内は騒然となる。吐瀉物を浴びて倒れていた男性も起き上がり、常軌を逸した行動をみせるようになる。

 辛うじて難を逃れたジュンジョーだったが、アパートに戻ったところを隣人に襲われる。大きな剪定ばさみで、左手の指をちょん切られてしまうジュンジョー。再び街へ逃げると、すでに街全体が狂人たちでいっぱいだった。

 地下鉄に乗ったカイティンも惨劇に巻き込まれる。ナイフを持った男が車両内で次々と乗客を襲う。周囲にいた人たちも、感化されたように暴力を振るい始めた。逃げ場のない車両内は、たちまち大量の鮮血で染まってしまう。

 この車両に乗り合わせていた中年サラリーマン(ジョニー・ワン)は、以前から若くて美しいカイティンのことが気になっており、車両から逃げ出した彼女を執拗に追い求める。野生のクマが一度狙った獲物は決して逃さないように、人間離れした異常な執念を中年サラリーマンは発揮することになる。(1/3 P2はこちら

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