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フジテレビ、異例の元アナ“岩手出向でアナ復帰”の背景にある事情と、懸案のパワハラ問題

文=黒崎さとし(くろさき・さとし)

フジテレビ、異例の元アナ“岩手出向でアナ復帰”の背景にある事情と、懸案のパワハラ問題の画像
写真/Getty Images

 元フジテレビアナウンサーの福永一茂が、7月1日付で系列局の岩手めんこいテレビにアナウンサーとして出向したことが明らかになった。在京テレビ局の元アナとしては極めて異例の人事に、関係者の間では激震が走っている。

 福永アナは1998年にフジサンケイグループのラジオ局であるニッポン放送にアナウンサーとして入社。2006年にフジテレビに転籍すると、2011年のサッカーW杯ドイツ大会や、2016年のリオ五輪など国際大会のスポーツ実況アナウンサーとして活動。『SMAP×SMAP』や『ほこ×たて』など人気バラエティ番組にも出演していたが、2017年に営業局に異動していた。

 同局関係者は、「アナウンサーが現場を離れると、やはり『もう一度喋り手として復帰したい』と願う者が大半で、福永アナも同じ希望を持っていた」というが、系列地方局に異動しての復帰は異例。同業者にとっては「異様な光景に映る」ものの、一方で「いろんな複雑な事情が絡んでいる」として、こう話す。

「フジテレビは不景気のあおりを受けて今春、勤続10年以上、50歳以上を対象に早期退職を実施。さらに今夏の人事で、2015年入社の内野泰輔アナウンサーがスポーツ局へ、2016年入社の永尾亜子アナウンサーといった若手も広報局にそれぞれ異動させられた。以前よりも制作番組が少なくなり、それに伴いアナウンサーの需要が減少しているため、多くの局アナを抱える必要がなくなった。内野と永尾の2人は30歳を待たずに異動させられていることを考えると、会社としても余裕がないのが丸わかりです。福永アナも猛烈にアナウンサー復帰を希望していたが、お台場に居場所はない。結果、子会社化している地方局にしか枠がなかったのが実情です」

 だが心配なこともなくはない。近年、フジ系列の放送局でパワーハラスメントに関する告発が相次いでいるからだ。

「同じ東北のさくらんぼテレビでは、数カ月でアナウンサーの大半が入れ替わる緊急事態に陥っています。背景には局の役職者によるパワハラの問題があったと昨年、週刊誌で報じられた。今年に入っても、4月から始まったフジテレビの情報番組『ポップUP!』の局チーププロデューサーが制作会社スタッフを自殺未遂に追い込むパワハラが報じられている。系列全体で元気がないので、ギスギスした空気がまん延しているのです」

 フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」は他系列の民放局と比べて、持ち株会社や子会社として系列局の株式を多く持っていることで知られる。福永アナが出向する岩手めんこいテレビも2021年4月時点で30%以上を持つ筆頭株主である。

「キー局から出向する場合、今までは役員クラスが多かったが、やはりどの局に聞いても『腰掛けや出世コースから外れての就任が多く、ロクに仕事もせずに、ただ任期が終わるのを待っているパターンが大半』と不評です。そんな環境で現場業務にあたる福永アナは、どんな揚げ足を取られるか分からない。絶対に上から目線で物事を言わないことが必須」(フジ系列地方局幹部)

 新たなテストケースに福永アナは期待に応えることができるのか。

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黒崎さとし(くろさき・さとし)

黒崎さとし(くろさき・さとし)

1983年、茨城県生まれ。ライター・編集者。

最終更新:2022/07/05 08:00

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