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今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識⑲

『ジュラシック・ワールド』に1作目へのオマージュ盛り込まれまくった理由

『ジュラシック・パーク』のキャラクターがまんまの役者で登場

 あわてて飼育エリアに入るとそれは、逃げたように見せかけたインドミナスの罠だった。恐竜は警備員らを食い散らかし、防壁扉を閉まる直前に破壊し、エリア外に脱走。

 もしパーク内に逃亡を許せば20000人の客が犠牲になるというのに、誕生させるまでに数千万ドルをかけた恐竜をみすみす殺せないと、サイモンやクレアらは恐竜の捕獲に動く。この辺は製作総指揮のスピルバーグの傑作『ジョーズ』で危険なサメが確認されたのに、サメの存在を知らせれば観光地は大ダメージだといって、町の有力者たちが隠ぺいに走ったのと同じ展開。

 インドミナスは体内に埋め込まれたGPSを食いちぎり、擬態の能力で捕獲部隊を全滅させる。インドミナスに想像を絶する能力が備わっているのは、DNAを設計したウー博士が「サイモンのこれまでにない恐竜を」という依頼によってさまざまな恐竜、果てはイカやカエルのDNAまで混ぜ合わせたからであった。

 このウー博士というキャラクターは、一作目の『ジュラシック・パーク』にも登場してティラノをDNAから誕生させていた人間。演じた役者も同じB・D・ウォンで22年前は初心な研究者といった風体でしたが、今作ではすっかり貫禄も身に付いている。そもそも彼の生み出した恐竜が惨劇を生み出しているのだけど、一作目でもさっさと逃げ出して助かっていたように、今回も崩壊寸前のパークからちゃっかり脱出に成功するのでした。

 もはや捕獲は不可能と判断したサイモンは自ら戦闘ヘリを操縦し、部隊を出動させて抹殺を図る。脱走したインドミナスは翼竜園にたどり着きサイモンの乗ったヘリは墜落して翼竜園のドーム壁を破壊してしまい、その穴から翼竜たちは外へ飛び出し、パーク内の客を襲い始める。

 大混乱に陥ったパークのセキュリティ全権を握った元軍人のホスキンス(ヴィンセント・ドノフリオ)は恐竜を軍事利用する野心に取りつかれており、彼はオーウェンが調教していた4匹のヴェロキラプトルを使い、インドミナスの抹殺と同時にラプトルを軍事目的に転用できるかのテストを行う腹だった。オーウェンは恐竜の軍事利用には反対だったが、パークの混乱を収める手段は他になく、しぶしぶ応じる。

 しかしインドミナスはラプトルのDNAも持っていたので、ラプトルらはインドミナスに命令され、敵となって部隊を襲い始める……。

 22年ぶりのシリーズの再始動となった『ジュラシック・ワールド』には、二つの大きな要素がある。

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