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参院選で終わらない 知事選、那覇市長選と続く選挙イヤーの沖縄

沖縄の若者は、基地問題にもはやこだわらない!? 参院選で見えた世代のギャップ

沖縄の若者は、基地問題にもはやこだわらない!? 参院選で見えた世代のギャップの画像1
安倍元首相の死去を一面で大々的に報じる7月9日付の「沖縄タイムス」

 安倍晋三元首相が投開票日の二日前に凶弾に倒れるというショッキングな事件の影響があったのか、7月10日投開票が行われた参議院選挙は自民党が改選55議席を上回る、単独で改選過半数(63議席)を確保して大勝した。岸田首相は2025年の参議院選挙まで大型国政選挙がない「黄金の3年間」を手にした。

 自民党は1人区でも28勝4敗と勝利し、野党を圧倒した。しかし、その数少ない自民党が敗れた選挙区に沖縄が再び入ってしまう。

 現職で「オール沖縄」勢力が推す伊波洋一(いはよういち・70)=無所属=と自民党公認の新人、古謝玄太(こじゃげんた・38)=公明推薦=の事実上の一騎打ちとなった今回の選挙はまれに見る大接戦だった。全国の1人区が早々に当確を出す中、沖縄選挙区だけは開票率が98%を超えても当確が打てず、日付が変わった11日になってようやくNHKは伊波再選の当確を打った。

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一面トップで、伊波氏の再選を報じる7月11日付の「琉球新報」

 6年前の選挙で、自公が推す候補・島尻安伊子に10万票の差をつけて圧勝した「オール沖縄」全盛期と比べるべくもない。

 伊波は自らのツイッターに、「6年前の10万票差より今回の勝利が大きい」と薄水の勝利を得た喜びを綴った。

 しかし、「オール沖縄」陣営関係者が「自民党より保守色の強い『参政党』が候補を立て、2万2585票も取って保守票を分散してくれたから辛うじて勝てた」と認める通り、参政党の参入がなかったら、勝者の立場は入れ替わっていたかもしれない。

消えゆく炎の最後のゆらめきか?「オール沖縄」薄氷の勝利

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設反対というワンイシュー(単一政治争点)を全面的に掲げた「オール沖縄」が推す、無所属現職の伊波洋一が27万4235票を獲得し再選を果たしたが、元総務官僚の自民党新人の古謝玄太も27万1347票を獲得した。伊波は勝利したものの、その票差はわずか2888票差だった。

 特筆すべきは古謝が今回、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認を早い段階から明言しながら、移転阻止の「オール沖縄」勢力にここまで肉薄したことだ。

 6月22日公示前の同月4日、那覇市内のホテルで政策を発表した古謝は「普天間飛行場の危険性除去は一刻も早く実現しなければならない。現実的な早期の危険性除去の方策として普天間飛行場の辺野古移設を容認する」と述べた。

(古謝氏の「辺野古移設容認」発言は12分13秒ごろから)

 古謝氏は辺野古移転容認を公約集にも記載し立場をはっきりさせた。これまでの自民党候補が賛否をあいまいにし、言及も避ける戦略を取ってきたのとは明らかに一線を画した。

 これを受け、伊波陣営も戦術を変えた。当初は辺野古移設反対のワンイシューでは選挙戦を戦えないと沖縄経済の立て直しに力点を置いていたが、いざ選挙戦に入ると、辺野古移設反対に加え、南西諸島の軍事力強化反対も訴え始め、「沖縄を二度と戦場にさせない」と繰り返し、米軍基地反対の姿勢を全面に打ち出した。

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