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これぞ綾野剛“新町”流の騎士道! 『オールドルーキー』折り返しの第5話

文=東海林かな(しょうじ・かな)

これぞ綾野剛“新町”流の騎士道! 『オールドルーキー』折り返しの第5話の画像
Paravi配信ページより

 TBS系日曜劇場『オールドルーキー』の第5話が7月31日に放送された。元サッカー日本代表からスポーツマネジメントの世界に飛び込んだ新町亮太郎(綾野剛)だが、第4話にて、プロ復帰への未練を断ち切り、サッカー選手として完全燃焼することができたことで、ようやく本当の「第2の人生」を踏み出した。そして、サッカーだけにひた走ってきたこの男の熱意が、スポーツマネージメントの世界に伝播し始めている。

騎士道精神に溢れた新町の泥臭くも愚直な“説得”

 スポーツマネージメント会社「ビクトリー」で働き始める新町のセカンドキャリアを描く『オールドルーキー』。第5話の中心人物は、ビクトリーの若手社員・城拓也(中川大志)が自ら発掘してきた無名の美人フェンシング選手・三咲麻有(當真あみ)。城は、無名ながら三咲にスター性を見出してスカウトし、見事ビクトリー“仮”所属にまで持っていくが、自分でアスリートを見つけてきて担当するのはこれが初めてということもあり、なんとか実績を作りたいと意気込む。これに、あくまでもアスリートファーストな新町の考え方がぶつかり合い、一時は可能性がなくなった三咲のビクトリー正式所属をめぐって、新町と城の2人のタッグが奔走するというストーリーとなった。

 三咲を「美しすぎるアスリート」として売りたい城だが、グラビア撮影やテレビ番組出演といった案を断る三咲の意向に沿い、選手としての取材案件を取ってくるものの、航空会社の機内誌での掲載、「面白みがない、サービス精神がない」記事内容に、社長の高柳雅史(反町隆史)は「これじゃビジネスにならない」と一蹴。それでもこの三咲を見た大手化粧品会社「ナチュラ」から新商品のイメージモデルのオファーが舞い込み、城たちは喜ぶが、高柳も同席した打ち合わせの場で、人見知りの三咲はCMの演出プランに「無理です」「私はアスリートで、タレントじゃないし……」と難色を示して心を閉ざしてしまった。高柳は「うちは三咲麻有をマネージメントできない」との結論を出してしまい、城はその決定にただ従ってしまう。

 三咲との契約の話が流れたことを皮切りに、新町と城の関係にも乱れが見え始める。三咲はスポンサーの意向を理解するべきという社長の考えに反発し、アスリート側に立ってもう一度考え直すべきだと訴える新町と、社長の方針は曲げられないとがんじがらめになる城。「もう終わったことだから」と三咲に関する資料をシュレッダーにかける城とは対照的に、ナチュラ化粧品に通い、企画内容の変更を交渉する新町の姿は、後半ロスタイムに値千金のゴールを決めるために動き回って再三仕掛けるフォワードのようだった。

 粘り続ける新町の姿に心を打たれ、城も「僕だってフィールドに立ちたい」との思いを自覚し、新町と合流。そして2人は、あらためて三咲のもとを訪れる。ここでも新町は規格外の提案を三咲にする。「僕と試合してくれませんか? 僕が1ポイントでも取ったら、僕たちのお願いを聞いてください。話を聞いてくれるだけでいいです」――相手はプロの選手だけあって、当然ながら何度やっても1ポイントも取れず、歯が立たない新町。勝てる見込みはゼロなのに何度も何度も立ち上がり挑み続ける。そして今度は城が、すっかり体力の尽きた新町に代わって自分が試合をすると申し出、泥臭くも愚直な彼らの“説得”に、三咲はついに「私の負けです」と折れ、CMに出演することを決めた。

 ビクトリーとの契約はあくまでフェンシングの活動を続けるため、そしてフェンシングをもっと世に広めるためと考えている三咲に、正面からフェアプレーで臨むことで得たゴール。人見知りの自分にはCM仕事は「できない」とシャットアウトしていた三咲に、“できないことに果敢に挑戦する姿”を見せるという意味合いもあったのだろう。あえて三咲の得意なフィールドで懸命に戦った新町には、騎士道精神が溢れていた。

 これですんなりハッピーエンドとならないのが本作。自分に知らせることなく、ビクトリーにも所属していない三咲のCMを勝手に決めてきた新町と城に、高柳は「許し難い」と怒りを見せる。しかし、ここにきて高柳に心境の変化が。「間違っているのは社長のほうだと思います!」「アスリートファーストがスポーツマネージメントの鉄則ですよね」と自分の思いをぶつけた城の熱弁を高柳は聞き入れ、「いいだろう。三咲麻有と契約する」と考えを翻した。三咲はナチュラ化粧品の記者会見の場で、自分の考えに最後まで寄り添ってくれたビクトリーへの感謝の言葉を述べる。結果的にビクトリーにとっても大きな宣伝効果をもたらした契約となった。

高柳の過去に一体何があったのか

 番組中盤、三咲の契約を見送った直後、古株社員の葛飾吾郎(高橋克実)とバーで語らい合っていた高柳は、「ビクトリーの利益にならない人間はいりませんよ」と言っていたが、一方で葛飾は「シビアだなぁ、社長は。昔はもっと緩かったのに」「ビクトリーを立ち上げた頃ですよ。よく言ってたじゃないですか、『今のままじゃアスリートがかわいそうだ』って。野球クビになって途方に暮れてた自分に声かけてくれた時はこの人に一生付いていこうと思いましたよ」「城くんや新町くんが落ち込んでるのを見るとかわいそうでね、言ってやりたくなりましたよ。『社長はほんとは情のある人だぞ』って」と、高柳の内面について触れていた。葛飾は続けて、高柳の経営者としてのスタンスは変わっても、「すべてのアスリートにリスペクトを」という会社の理念は変わっていないことを指摘していたが、このやり取りこそ、最後に高柳を翻意させたきっかけとなったのだろう。三咲の契約決定に喜ぶ城と新町をよそに、高柳は自分に微笑む葛飾の顔を見ていたのだから。

 このシーンは、葛飾の言っていた“かつての高柳”が、“今の高柳”を動かしたかのようにも見えた。城が新町の影響を受けて成長したように、新町が放つ熱はやがて高柳の固まった心までをも変えていきそうだ。それにしても一体、高柳にどのような過去があって、今の打算的な性格になったのか。高柳の過去が今後のストーリーの中核を担うことになるかもしれない。

 

 今回の活躍が決め手となり、正社員へとステップアップした新町。前回ラストに出てきた日本代表候補のJリーガー・伊垣尚人(神尾楓珠)とのシーンはそれほどなかったが、「僕、ほんとにサッカーのことしか分からないから……」と、かつての自身と同じようなことをつぶやく伊垣を見つめる新町の眼差しは、「俺がどうにかしてやりたい」と言わんばかりだった。高柳は「伊垣尚人なら大歓迎だ」と契約に前向きな様子だったが、伊垣とのエピソードは、今回で折り返しを迎えた本作の後半の縦軸となるのだろうか。

 8月7日放送の第6話では、浅利陽介がバスケットボール選手・新垣和人役で登場する。大ケガにより引退の危機に瀕する新垣の絶望的な状況を、新町がどのようにサポートしていくのか、初めて一人で担当することになる新町のマネージメント力が試される回にもなりそうだ。実際にバスケットボール歴10年以上の経験者である浅利のキレキレなプレーにも注目したい。

■番組情報
日曜劇場『オールドルーキー
TBS系毎週日曜21時~
出演:綾野剛、芳根京子、中川大志、岡崎紗英、増田貴久、生田絵梨花、稲垣来泉、泉谷星奈、高橋克実、榮倉奈々、反町隆史 ほか
脚本:福田靖
音楽:木村秀彬
主題歌:King Gnu「雨燦々」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
協力:Jリーグ、公益財団法人 日本サッカー協会
サッカー監修:大久保嘉人
料理監修:Mizuki
編成:東仲恵吾、高橋秀光
プロデュース:関川友理、松本明子
演出:石井康晴
製作著作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/OLDROOKIE_tbs/

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2022/08/07 12:00

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