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坂口健太郎×杏『競争の番人』ワンパターン気味も…「女の戦い」の裏にあった真相に絶賛の声

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ドラマ公式サイトより

 坂口健太郎と杏がダブル主演を務めるフジテレビ系月9ドラマ『競争の番人』の第6話が、8月15日に放送された。予告では、メインキャストの桃園千代子を演じる小池栄子と、呉服店社長役での出演となった元タカラジェンヌ・真飛聖の迫力のある「因縁の対決」「女の戦い」がテーマとして取り上げられていた。しかし、その裏にあった事情と明かされた真相に、「いままでで一番おもしろかった」との声も寄せられている。

「女の戦い」を経て確認された“絆”

 「ダイロク」こと公正取引委員会・第六審査の面々の活躍を描く本ドラマ。第6話では、ダイロクに、関東最大級の呉服チェーン「赤羽屋」に「私的独占」(事業者が他の事業者の参入を妨害、排除するなどして市場の競争を制限する行為)の疑いが浮上し、小勝負勉(坂口健太郎)、白熊楓(杏)らが調査を始める。

 情報提供をしたのは、新規参入の呉服店「ファイブシーズン」社長である井出香澄(萩原みのり)。井出はかつて赤羽屋で働いており、社長の赤羽千尋(真飛聖)は井出を下につけるなど目をかけていたが、千尋の厳しい指導についていけず昨年退職し、経営コンサルタントとともにファイブシーズンを立ち上げたばかり。若者をターゲットに、問屋を通さず仕入れを行うなどの企業努力で安価で着物を販売しており、ようやく軌道に乗ってきたという。しかし最近、ファイブシーズンとの取引をやめる職人が増え、赤羽屋による圧力だと訴えた。

 小勝負たちの聞き取りで、赤羽屋による圧力の疑いがありそうだと考えた桃園は、千尋を直接事情聴取したいと申し出る。実は、千尋は7年前にも私的独占の疑いが浮上して公取が調査したことがあったのだ。当時、桃園らは立証することができず、それによって多くの呉服店が潰れてしまい、桃園はずっと悔やんでいた。“因縁の相手”千尋は事情聴取に応じるが、何も証拠がないため、もちろん千尋は認めない。しかも、「前にお会いしたときも桃園ってお名前でしたよね。あれからずっと独身ってことですか? まあ無理もないか」「うちで花嫁修業でもされたらどうです?」などと千尋は煽る。桃園も「価値観が昭和のままで止まってるようですね」などと応戦するが、千尋はさらに、7年前に何も立証できなかった桃園が「あなたは今ここで生き残っても、いずれ終わりますよ」と最後に言い放ったことを引き合いに出し、「あれから7年。終わるどころか、繁盛してましてねぇ」と勝ち誇るのだった。

 ふたたび潰れた呉服屋があることを知り、7年前と同じことが繰り返されることを恐れた桃園は、確証が何もないまま、立入検査に踏み切るよう頼みこむ。7年前にはできなかった立入検査がなんとか実現の運びとなるが、しかし、桃園の意気込みに反し、赤羽屋が独占禁止法に触れるようなことをしていた証拠は何ひとつ見つからなかった。

 赤羽屋の私的独占は立証できなかったが、なぜかファイブシーズンの井出は公取の聞き取りに非協力的になる。公取が調査しているという噂が出回り、赤羽屋と距離を置く職人も現れ、ファイブシーズンと取引をしてもいいというところも出てきた。しかも赤羽屋の評判が落ちたことで、ファイブシーズンは繁盛し始めたのだ。赤羽屋の不正の証拠は何も見つからず、桃園も「これ以上調べるのはさすがにやり過ぎ」と言って諦めようとする。

 だが小勝負は、今回の調査で一番得したのは誰かと問いかける。小勝負はファイブシーズンの井出を疑っていたのだ。赤羽屋で30万円で売っている反物がファイブシーズンでは5万円で販売されていたが、ファイブシーズンのものは赤羽屋のものと比べて軽かった。上質の反物は重いという情報から、ファイブシーズンの反物を六角洸介(加藤清史郎)に調べさせていた小勝負。読みどおり、ファイブシーズンのものは半分以上が合成繊維の質の低いもので、絹製と偽って販売していたのだ。

 小勝負らは井手を聴取しようとするも、任意なら断るといって拒否されてしまう。だが、劣悪な商品を売りつけていたことが職人たちの間にも広まり、さらに代金未払いなども発覚、次々と契約を打ち切られて窮地に陥るファイブシーズン。卒業式シーズンのため、翌朝には100件以上の着付けの予約が入っていた。着物もスタッフも用意できていない井手は、それでも聴取に応じようとせず、「そもそも、あなたたちがコソコソ調べ回らなきゃ、こんなことにはならなかったんです。営業妨害で訴えますよ!」と逆ギレする始末。そこに「いい加減にしなさい!」と乗り込んできたのは、千尋だった。千尋は赤羽屋のスタッフと共に着物を運んできて、ここは自分たちに任せ、公取の聴取をちゃんと受けるよう促す。

 井手は「着物業界のため」「古い体質を壊すには多少荒っぽいやり方も必要」などと釈明するが、結局は自分が業界のトップにのし上がりたいだけで、そのために公取に嘘の情報を流して調査をさせ、赤羽屋の評判を落とそうとしたのだった。そして小勝負は、千尋が井手のためにさまざまな手助けを人知れずしていたことを伝える。ファイブシーズンから千尋に引き抜かれたという着物職人は、実は質の悪い反物を一流品だと偽って売りつけていた問題の業者で、千尋は妨害のためではなく、市場に質の悪いものを出さないために引き抜き、すぐに契約を打ち切って追い出していた。そして、その理由をダイロクに明かさなかったのも、千尋が桃園に挑発的な態度を取ったのも、すべては公取の疑惑の目を自分に向けるため。千尋は、井手が“汚い方法”を取っていることに気づいていて、守ろうとしたのだ。千尋は問屋や職人に、井手を頼むと頭を下げて回ってもいた。弟子である井手の目がいつか覚めると信じていたからだ。千尋は“師匠”の真意を知り、涙するのだった。

 千尋のおかげでファイブシーズンの着付け予約は無事に乗り切った。桃園は、立入検査で何も出なかったことを謝罪しに行った際に、千尋から「力を貸して下さい」と着付けの手伝いを頼まれ、協力していた。そして千尋は「ありがとう。すべてあなたのおかげよ」と桃園に頭を下げる。千尋に対し申し訳ない思いを抱く桃園は戸惑うが、千尋は「7年前のあなたの言葉で私、変わったの」と打ち明ける。桃園が言い残した「あなたは今ここで生き残っても、いずれ終わりますよ。競争のない世界は必ず滅びる。忘れないでください」という言葉は、井手のように上り詰めたいという欲望だけで動いていた千尋の目を覚ましたのだ。気づけば着物業界はすっかり斜陽となっていた。「あなたの言ったとおりね」と認めた千尋は、「でもいつか復活してみせます。だって私には、井手という生きのいい競争相手がいますからね」と微笑み、「私たちの競争を見守ってください」と、桃園と握手を交わしたのだった。

“競争の番人”というテーマの再確認

 第6話の見どころは、桃園が千尋を聴取した際の“対決”シーンだろう。互いに相手を口撃していくさまに、視聴者からは「小池栄子VS真飛聖は画が強すぎ」「ワクワクする」などの女の対決を楽しむ声が上がった。これがあったからこそ、背景にあった千尋と井出の師弟愛、そして桃園の7年前の言葉で千尋もまた目を覚ましたという展開が生きたように思う。第6話の「女の戦い」は、井手VS千尋でもあり、桃園VS千尋でもあったが、前者では離れても弟子を思う気持ちが、そして後者では真摯な審査官の言葉が相手の心に響くというかたちだった。

 加えて、桃園と千尋の戦いでは“競争の番人”というテーマが改めて強調された。「競争のない世界は必ず滅びる」という桃園の言葉を認めた千尋。業界が栄えるためには競争は必要で、それを見守る番人も必要なのだ。

 また、序盤のシーンで見せたNHKの大河ドラマを彷彿とさせる和装と甲冑の”コスプレ姿”にざわめきの声も上がった。実は放送前に公式Twitterでもサービスショットとして投稿され、期待どおりの見どころに思わずニヤリとした人も多かったことだろう。白熊の“モデルデビュー”も、杏が白熊を演じていることを踏まえた小ネタとして楽しめた。

 第6話にして初めて1話完結となったが、テンポもよく、ストーリーも今までで一番おもしろかったと絶賛する声も多かった。一方で、あまり活躍の場面はなく、ただ感情的に動いているだけの印象が強い白熊のキャラクターや、小勝負が毎度解決の糸口を見つけるという展開が少々ワンパターン気味なところは引っかかる。次回の第7話は白熊の一人調査となるようだが、主役らしい活躍が見られることを期待したい。そして小勝負が関わることになる案件が、彼の謎に満ちた過去、そしてドラマ“最大の敵”へと導くことになりそうだ。視聴率も見逃し配信も下降気味の『競争の番人』だが、ラストに向けたスパートに期待したい。

■番組情報
月9ドラマ『競争の番人
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎、小日向文世、黒羽麻璃央、大西礼芳、石川萌香、寺島しのぶ ほか
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
脚本:丑尾健太郎、神田優、穴吹一朗、蓼内健太
音楽:やまだ豊
主題歌:idom「GLOW」
プロデュース:野田悠介
演出:相沢秀幸、森脇智延
制作・著作:フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kyosonobannin/index.html

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/08/22 12:00
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