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宮下かな子と観るキネマのスタアたち48

『耳をすませば』耳をすませて見つけた夢の先を描いた実写版、アニメ同様の清らかさ

『耳をすませば』耳をすませて見つけた夢の先を描いた実写版、アニメ同様の清らかさの画像1
文/イラスト 宮下かな子

 今月10月14日から、映画『耳をすませば』が劇場公開されました。ご覧になった方、いらっしゃいますか?

 柊あおい先生の不朽の名作マンガが原作、1995年に公開されたジブリアニメーション作品の『耳をすませば』をご存じの方は多くいらっしゃると思いますが、今回実写映画では、作品の世界観を再現した〝過去〟と、それに加えてオリジナルで描かれた〝10年後の現在〟の二重構造で描かれています。

 なんと恐縮ながら私も参加させて頂きまして、保健室の高坂先生役として出演しています!

 高坂先生は、アニメの『耳をすませば』を初めて観た幼少期から、私の中でも印象に残っていた役なので、撮影前に何度も原作マンガとアニメ作品を見返して、どぎまぎしながら撮影に臨みました。撮影したのは2年前、ちょうどコロナが流行した初めての夏。その半年ほど前から衣装合わせ等は行われていたのですが、撮影スケジュールに変更があったりと、コロナ禍の影響を大きく受けた時期でした。私は数シーンの出演だったのですが、他キャスト・スタッフさんはきっと大変苦労されたと思います。だからこそ、やっと無事に劇場公開が始まって、とてもとても嬉しい思いです。

 この連載で、自分が出演させて頂いた作品を取り上げたことは今までないですが、是非皆さんに劇場に足を運んで頂きたく、今回は絶賛劇場公開中、平川雄一朗監督『耳をすませば』をご紹介させて頂きます!

 アニメをご覧になったことのある方は特に、中学生だった雫と聖司が大人になった姿……どんな風に描かれているのか気になりますよね。

 聖司君は、あの頃の夢を追い続け、イタリアでチェロと向き合う日々。一方雫は、小説家になる夢を持ち続けながらも、児童文学を扱う出版社の編集者として忙しなく働いています。遠距離の2人ですが、離れているお互いを励みにしている関係性で、大切な存在である事は変わらぬまま。あの〝地球屋〟や、友人の夕子・竜也も変わらず雫の傍にあって、〝あの頃〟の大切なものが〝現在〟にかけてどう変化しているのか、というのは、今回の映画を楽しんで頂く見どころのひとつ。

 私がご一緒させて頂いた、子供時代の雫役・安原琉那さん、夕子役・住友沙来さんも、マンガから飛び出してきたように爽やかで可愛らしい印象でしたが、〝10年後の現在〟を描いたパートも、同じくらいに爽やかでまっすぐなキャストの皆さんのお芝居が光っています。雫役の清野菜名さんの姿はまさに、そのまま大人になった雫!くるくる表情が変化し、屈託の無い笑顔にも、大粒の涙にも心がキュンと動かされます。そして、聖司君演じる松坂桃李さんの安堵感ときたらもう別格! チェロに向き合う姿は本当に美しく、聖司君の完璧を求めるカリスマ性は、松坂さんにぴたりとはまっていました。

 実は私、試写会で4回も涙したんです(笑)。普段から涙脆い私ですが、こんなに心地良い涙が何度も流れた映画は他にないんじゃないかな。

 雫と聖司君の純粋な心にグッときたり、仕事に悩む雫に自分を重ねたり、清野菜名さんの綺麗な大粒の涙に貰い泣きしたり、曇りのないまっすぐな美しい歌声に感動したり……過去と10年後を行き来する中で、とにかく沢山心動かされました。

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