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川口春奈×目黒蓮『silent』、第5話で“『最愛』超え”確実か TVerでの「圧倒的な強さ」の理由とは

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フジテレビ総合エンタメメディア「フジテレビュー!!」より

 さらなる新記録を生み出しそうだ。

 川口春奈主演、目黒蓮(Snow Man)共演のフジテレビ系木曜劇場『silent』がTVerで無双状態となっている。

 放送開始当初は20万台だったお気に入り登録者数は、右肩上がりで伸び続け、ついに200万を突破。TVerお気に入り登録者数は、何年も放送を続けるバラエティ番組などに対し、1クールで終了する連続ドラマはあまり伸びない傾向にあるが、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の189万を上回り、TVerで配信されている全番組で1位という異例の勢いを見せている。

 再生数でも記録尽くしだ。第1話の見逃し配信(ビデオリサーチ調査によるFOD、TVer、GYAO!の合計)で「フジテレビ全番組における歴代最高(単話)」となる531万再生を叩き出し、第2話では567万再生とさらに増加。そして第4話では603万再生にまで膨らんでおり、累計で2000万再生を突破している。

 TVer単体でも、第1話は443万再生を記録し、「TVerで過去に配信された民放全ドラマにおける歴代最高記録(単話)」を樹立。こちらも第2話で489万再生と増加し、やはり記録を更新している。

 TVerにおける1クールでの再生数は、2021年10-12月期の『最愛』(TBS系)が累計2280万再生で当時の歴代1位となっているが、第3話までの時点で累計1418万再生にまで達している『silent』は、このペースならば折り返しとなる第5話あたりで『最愛』の記録を上回ることになりそうだ。現状、2022年1-3月期にフジテレビ系月9ドラマ『ミステリと言う勿れ』が打ち出した累計3384万回が歴代最高記録と公式発表されているが、『silent』は最終的にこの記録をも打ち破りそうだ。

 さらにTVer人気の追い風となりそうなのが、10月31日(月)あさ6時からTVer独占で配信された「4話エピソード0~紬と想と湊斗、8年前のある出来事~」だ。5分に満たないショートストーリーだが、メインとなる紬(川口春奈)、想(目黒蓮)、湊斗(鈴鹿央士)の高校時代の関係性と、紬の弟・光(板垣李光人・幼少期/志水透哉)が湊斗を慕っている理由の一端がのぞく物語となっており、配信直後からTVer総合ランキングで首位を独占中だ。

 もともと木曜22時枠の『silent』は、放送翌日からTVer総合ランキングで首位をキープし続けるも、日曜~月曜あたりからは『クロサギ』(TBS系)や『アトムの童』(同)といった他の作品に総合首位を奪われていたが、今週は「4話エピソード0」の投入により、月9『PICU 小児集中治療室』なども跳ね除け、第5話放送直前の2日深夜まで1位を独占し続けている。

 興味深いのは、この「4話エピソード0」が「TVer独占」だったことだ。多くの場合、スピンオフやディレクターズカットなどの派生コンテンツは、放送局の持つ配信プラットフォームでの独占配信が主流で、『silent』ならばFOD独占とするのが一般的だろう。たとえば『君の花になる』(TBS系)では、出演者が放送内容や撮影ウラ話などについて語る『8LOOM ROOM~君花アフターパーティー!』というミニ番組をParavi独占で配信している。

 しかし『silent』の「4話エピソード0」は意外にも“無料”見逃し配信サービスであるTVer独占となった。フジテレビは『silent』のTVerでの圧倒的な支持を理解しており、「TVerでの記録」をさらに伸ばすことを強く意識しているのだろう。第4話放送後の配信ではなく、間を置いて月曜朝に配信するというあたりにも、『silent』のTVer総合ランキング首位独占を狙った戦略的な匂いがする。

繰り返し観たくなる仕掛けと、全話見逃し配信の実現

 『silent』が見逃し配信でここまで強いのは、シンプルなラブストーリーながら、“考察”がかなり盛り上がっているためだ。

 物語の展開やセリフと呼応するような小道具や設定が細部に潜んでおり、視聴者はそれを確認するために何度も繰り返し視聴する。たとえば紬の部屋にいる湊斗が、想と再会する直前にてんとう虫が迷い込んでくるシーンがあるが、紬と想が高校時代に交際に発展するきっかけとなった楽曲、スピッツの「魔法のコトバ」のCDシングルのジャケットには、てんとう虫が描かれている。そして「魔法のコトバ」の歌詞は、紬と想の関係性を表しているとも指摘されている。このような細やかなディテールがあちらこちらにあるため、「語りたくなる」ドラマになっているのだ。また、風間俊介演じる春尾の過去など、まだ明かされていない“謎”もあるため、余計に考察したくなるのだろう。こうした「語りたい」「考察したい」要素が、繰り返し再生させる要因となっていると見られる。

 加えて、『silent』は今のところ全話、TVerで視聴できる。これまでは放送後1週間で見逃し配信が終了となるのが通例で、長くても2週間ほどだったが、フジテレビは今期、『silent』だけでなく『PICU 小児集中治療室』『エルピス—希望、あるいは災い—』『親愛なる僕へ殺意をこめて』といった他の連続ドラマにおいても、全話の見逃し配信を継続している。作品の評判を聞きつけ、気になったらいつでも第1話から追いかけることができる環境が整備されたことも、TVerでの強さに影響しているだろう。

 『silent』は反響の大きさもあってか、視聴率では第3話まで右肩上がりとなっている。第4話こそ、日本シリーズ第5戦の放送が長引き90分繰り下げの23時30分からの放送となってしまったことでポイントを落としたが、いつ始まるかすぐにはわからず、最終的に深夜帯の放送に及びながら5.2%を獲ったというのも、録画や配信ではなくリアルタイムで早く観たいという熱量の高いファンがついていることの証拠だろう。

 日本のテレビドラマ史に残る作品となりそうな『silent』。放送終了まであとどれぐらいの新記録を打ち立てることになるだろうか。

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/12/16 17:01
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