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平野紫耀“黒崎”でも手こずる? 『クロサギ』佐々木蔵之介が放つ“強敵”の風格

文=東海林かな(しょうじ・かな)

平野紫耀“黒崎”でも手こずる? 『クロサギ』佐々木蔵之介が放つ“強敵”の風格の画像
Paravi配信ページより

 King & Prince・平野紫耀が主演するTBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第7話が12月2日に放送された。父親が遭った詐欺によって家族が崩壊し、「詐欺師を騙す詐欺師=クロサギ」となった黒崎高志郎(平野紫耀)は、父親を詐欺にかけた御木本(坂東彌十郎)に引導を渡したが、続いて父親に「とどめ」を刺した人物にたどり着く。弔い合戦の開幕を告げる前哨戦となった第7話は、黒崎が見事に勝利を収める結果となった。

 第7話では、黒崎家を襲った6年前の悲劇の全貌がようやく明らかになってきた。御木本の企業セミナー詐欺に遭った黒崎の父親・黒崎浩司(前川泰之)は、ひまわり銀行に3000万円の借金をするが、それでも足りず、追加融資を求めるも断られてしまう。そこで紹介されたのが、現在はひまわり銀行で経営企画部門・執行役員を務める宝条兼人(佐々木蔵之介)だった。当時ひまわり銀行の子会社であるひばりファイナンスに出向していた宝条は、自宅を担保にして融資できるが、1カ月ほどの間ひまわり銀行に預けてほしいと頼む。宝条は「預金ノルマ」だと偽り、ノルマ達成に協力してくれれば3000万円まで融資できると伝え、浩司は疑うことなく条件を飲んでしまう。

 だが、新たに借りた3000万円はすべて、ひまわり銀行への借金返済に充てられてしまった。ひまわり銀行に入金があった際に自動的にそうなる仕組みだったのだ。「そういう契約を交わしていたのなら、仕方がないですね」と無情に突き放す宝条。浩司の手元には一銭も残らず、ひまわり銀行からひばりファイナンスへと借金を借り換えただけ、しかもひまわり銀行よりも金利が高い借金となった。担保となっている自宅も手放すしかない。御木本の詐欺に続いて宝条にまで騙され、失意の浩司は一家心中に及んだのだった。

 詐欺師界のフィクサー的存在である桂木敏夫(三浦友和)と宝条の関係もはっきりしてきた。メガバンクの執行役員にまで上り詰めた宝条は、桂木のマネーロンダリング係だったのだ。桂木は「裏の顔を出しすぎるなよ。歪みは隙を生み、隙は破滅を招くぞ」と宝条に忠告していたが、早くも宝条の“隙”に黒崎が食い込んだ。宝条の周辺を探り、まずは手始めにと狙いをつけたのが、ひまわり銀行首都中央支店の支店長・牛山彩子(山口紗弥加)だった。若手経営者として同行に新規口座の開設に出向き、いきなり1億円の入金という“エサ”で見事、牛山に接近することに成功する。

 そして黒崎は、牛山の手下である薮内(山岸門人)と入り口で揉めていた根岸家の話を聞く。薮内は、小さなレストランを経営していた根岸礼二(福山翔大)に、通常の融資ができない代わりに建前として住宅ローンを系列のファイナンスで組ませる「目的外融資」を勧め、さらにコロナ禍で店の経営が悪化すると追加融資をするといって無理な借金を上乗せし、返済の目処が立たずに礼二が自死してしまうと、追加融資の返済がまだだと言って密かに担保として設定していた住宅を明け渡すよう、根岸家に迫っていたのだった。父親が受けた導入預金詐欺と同様の手段によって人が亡くなったことに怒りを覚える黒崎は、宝条が桂木とつながっていることをわかっていながら、桂木に断りなく、宝条が信頼を置く牛山を“食う”ことを決める。

 古典的な籠脱け詐欺で鮮やかに牛山から3億円をだまし取り、家を取り戻すための2000万円を根岸家に渡す黒崎。だが黒崎の本来の目的は、牛山の篭絡にあった。宝条は、大失敗をやらかした牛山にすべての責任を押し付け、あっさりと切り捨てる。黒崎のリークによりマスコミにも騒がれ、破れかぶれの牛山を黒崎はひっそりと呼び出し、「あんた一人に責任を押し付けた男のこと、いろいろ教えてくれない?」と誘うのだった。トカゲの尻尾切りを淡々と実行する宝条の悪どさもさすがだが、宝条の“隙”を狙うために牛山を追い詰めた上で自分に協力させようとする黒崎も、なかなかに恐ろしい。次回予告には「ラストバトルに突入!」とのテロップが踊っていたが、黒崎と宝条のバトルは壮絶なものとなりそうだ。

 さらにその緊張感を高めているのが、いまだ得体の知れない桂木と、徐々に狂気を見せてきた鷹宮輝(時任勇気)だろう。

 宝条が桂木のもとを訪れた場面では、桂木が「例の計画はどうだ?」と聞くという、気になるやりとりがあった。クライマックスに向けての大きな陰謀の伏線なのだろうか。また、第7話ラストで黒崎が桂木のもとを訪れ、久しぶりに黒崎が桂木のことを「親爺(おやじ)」と呼んでいると早瀬かの子(中村ゆり)が指摘した際には、「俺に対する尊敬が戻ったかな?」とトボけた後、「まぁ、もしくは……本格的に企み始めた何かを悟られまいとしてるのか……」と、黒崎が宝条に狙いをつけていることを察しているかのような態度を見せた。そしてそこに現れたのは、ヒロインの吉川氷柱(黒島結菜)。氷柱が働く店のコーヒーを注文し、届けさせたわけだが、明らかに黒崎に対する牽制だろう。はたして桂木は、黒崎の復讐劇に立ちはだかるのか。

 宝条の甥で、氷柱の通う大学の助教である鷹宮も不穏な動きを見せている。それまで氷柱に想いを寄せていたが、前話で氷柱と意見がぶつかると激高し、「正直ちょっとガッカリしたなぁ……」などとつぶやいていた鷹宮。今回も貧困ビジネスを撲滅すべき理由について意見が割れると、氷柱の部屋の前で待ち伏せ、氷柱の考えを理想論だと切り捨てる。さらに、“アパートの大家”として現れた黒崎に「俺には、あんたのほうがもっと理想論に聞こえたけどね。研究室にこもって、机の上で考えただけの理想論」と痛い指摘をされると、感情の読み取れない表情で立ち尽くしていた。鷹宮の氷柱への執着は、徐々に狂気に変わっていくかもしれない。

 クライマックスに向けてスリリングな展開が増えたように感じた第7話。ドラマにさらなる深みを生んでいるのは、佐々木蔵之介の好演だろう。オモテとウラの顔をもつ悪役を演じさせたら天下一品である。2021年放送のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』での羽柴秀吉役でも、ひょうきんなオモテの顔とは裏腹に、目的遂行のためなら身内をも躊躇なく手にかける冷酷さを演じ分けた。牛山をあっさりと切り捨てる人間性と恐さ漂う“無の表情”には「強敵」の風格が漂い、黒崎であってもその顔をゆがませることができるかどうかは、現時点では想像もできない。

 緊張感が走る展開の連続だったが、一時の清涼剤となるのが黒崎と氷柱の恋模様だ。第6話での詐欺師を騙す“偽装カップルハグ”以降、黒崎への想いが高まった様子の氷柱。詐欺師への恋ごころを消そうとするかのうように、無理に遠ざけようとする姿、その反抗的な態度にムキになる黒崎。「もはやカップルだよ……」とツッコミを入れたくなるやりとりは、黒崎もひとりの人間であることをふと思い出させるシーンだった。黒崎は原作に従えば21歳ぐらいのはずだが、21歳男子の素の表情がもっとものぞく瞬間だったともいえる。

 そして今夜放送の第8話では、令和版『クロサギ』のコメディ的な要素と恋愛要素がもっとも強い回になるかもしれない。予告映像では「アカサギ転身!?」の文字とともに、ホスト風のチャラい黒崎の姿があり、氷柱が嫉妬しているかのようなセリフも。「ゆっくり知り合えばよくない?」と言って女性を口説く“チャラ崎”の姿に興奮するファンも多かった。とはいえ、宝条との「ラストバトル」が始まる回でもあり、騙し合いも加速していくだろう。今夜放送の第8話は、これまで以上に見どころ満載となりそうだ。

■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/kurosagi_tbs

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2022/12/09 12:00

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