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神田沙也加さん一周忌、前山剛久の“弁明”に反論――残された者たちの傷

岸田首相のカネと器「総理なのにセコすぎる」

 今週の最後の特集は、文春の岸田文雄首相にまつわるカネの問題である。

 これを読んでいると、昔の「田中角栄金脈研究」を思い出した。既に表に出ている資料などを拾い集めて、カネから見えてくる政治家の闇を暴くというのは、このときから始まったのである。

 文春には、その伝統が息づいている。そう思った。

 だが、角栄は裸一本で首相まで上り詰めたが、岸田首相は、のほほんとカネの苦労などせずに成り上がったという決定的な違いはあるが。

 明治神宮のある原宿口から5分も歩くと、薄灰色の堅牢な造りのマンションが見えてくる。6階建てで総戸数は24。そのうちの少なくとも7部屋を所有している一族がいる。

 岸田文雄とその血縁者たちで、現在の資産価値は総計15億円にもなるという。

 岸田は、早稲田大学法学部を卒業して長期信用銀行(今の新生銀行)に就職し、5年後に父親の文武の秘書となった。

 文武は元通産官僚で、その後衆院議員になった。家系図を見渡すと、高級官僚、中でも旧大蔵省が目立つという。

 文武の弟は大蔵省証券局長、岸田の妹2人は、いずれも財務官僚と結婚している。

 また今の党税調会長の宮沢洋一とはいとこ同士になる。

 洋一の父親は旧自治省で事務次官まで務め、広島県知事になった。洋一は大蔵省で20年近くも働き、伯父の宮沢喜一首相の秘書官も務めている。

「そもそも宏池会の創設者・池田勇人氏が元大蔵事務次官で、宮沢喜一氏も池田蔵相時代の秘書官。宏池会は大蔵省との距離が極めて近いのです」(政治ジャーナリスト)

 こうした中で、岸田文雄は何の苦労もせずに、1992年に父親が逝去すると、地盤を継ぎ、鞄(カネ)も難なく手に入れたのである。

 初出馬、初当選したが、1993年から1995年にかけて父親の政治団体から受け取った総額は7660万円にもなるという。

 これには相続税も贈与税もかからない。世襲政治家の「旨味」を十分に味わったのだ。

 戦前まで遡ると、祖父が、京都帝大を卒業後、やはり旧広島一区から政治家になっているが、衆議院議員でありながら、満州国大連で不動産を手掛けるとともに、「幾久屋百貨店」を創業し、その売り上げは三越を抜き、大連一になったそうである。

 この祖父、大儲けしたカネで渋谷の土地買い占め、今の神宮前に約500坪を有する大地主になった。

 そこには二階建ての洋館が立っていたが、そこを壊して、今岸田が所有しているマンションに建て替わったそうである。

 その周辺では宮沢洋一が所有するマンションもあり、道を一本挟んだ向かい側には宮沢喜一の邸があった。

 宮沢邸は改築され、現在は、広島県福山市にある「常石造船」のオーナー神原秀夫の所有だそうだ。

 常石造船は宮沢を支援してきた最大のスポンサーで、神原のツネイシHDは、岸田も支援しているという。

 岸田は、広島に広大な自宅を構えているが、そこはツネイシHDが所有し、貸与される形で住んでいるそうである。

 極めて安い賃料を支払っているのではないか。そう思わざるを得ないが、なぜそんなみみっちいことをやるのだろうか。私には解せない。

 それ以外でも岸田は、政治資金収支報告書に空白の領収書を大量に添付したり、今回文春が発掘したところによると、彼の関連政治団体「自民党広島雄翔会支部」を巡る問題があるという。

 現在はNという秘書が代表を務めているが、同支部は毎年のように岸田が代表の第一支部から献金を受ける一方、2005年の衆院選では岸田に1300万円寄付するなど、政治活動を支えてきた。

 だがこの団体は国会議員関係政治団体ではないため、内訳をほとんど明らかにしていない。外部から見えないブラックボックスにして、脱法行為をしているのではないか?

 そんな疑惑を持たれることを、この岸田のボンボンがなぜやるのか。

 また、笑える話がある。岸田は、静岡県伊東市に別荘を持つているが、近隣住民が、

「実は岸田さんは月に千円、年額一万二千円の自治会費を納めていないんです。ご近所でも、『総理なのにわずかな自治会費も払わないなんてセコすぎる』と囁き合っています。自治会が岸田事務所に催促の連絡をしたけど取り合ってくれなかったとか」

 このセコさは、人間の器の小ささと同じ意味で、岸田という男をよく表している。

 岸田を早く辞めさせないと、この国は、防衛費ばかり膨らむ歪な形になってしまう。戦争などできもしないのに、装備だけを大掛かりにするのは、土性骨のない証拠だ。

 自ら出て行って中国の習近平とやり合う度胸もない。先日会った時も、時候の挨拶ぐらいしかしなかったのであろう。

 こんな人間は、即刻辞めてほしいと思う。次が河野太郎でなければ、誰でも同じ。私はそう思っているのだが。

 
 

 

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2022/12/26 19:00
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